ポリエチレン(PE)とは?特徴・長所・短所・種類など

ポリエチレン(PE)とは?特徴・長所・短所・種類など

ポリエチレンという素材の名前はよく聞くと思います。今回は漠然とし理解していたかもしれないポリエチレンの性質について、いろんな観点から掘り下げていきたいと思います。

ポリエチレンは樹脂?

樹脂と聞くと、植物体から分泌される精油のようなイメージがありますよね。それは間違いではありません。

しかし、ポリエチレンも樹脂です。ポリエチレンは合成樹脂で、天然の木から出る樹脂に似ていたため、樹脂に例えられています。

樹脂は原料、ポリエチレンが成形化して製品となったものがプラスチック製品とイメージすると良いと思います。

ポリエチレン(PE)の長所

ポリエチレンが使われているには、ポリエチレンが多くの特長を持った物質だからです。ポリエチレンの長所は、以下の6点を挙げることができます。

・原料価格が安く、加工しやすい
・機械的強度が優れている
・低温時の機械的強度が特に優れている
・耐薬品性が優れているた
・耐候性が優れている
・吸水性がほとんど無いため防水性が高い

これだけ強みがあれば、様々な用途で使えそうですよね!

ポリエチレン(PE)の用途

ポリエチレンには、いろんな種類があり、その種類によって、使われる用途が異なります。
低密度ポリエチレン…包装材(袋、ラップフィルム、食品チューブ用途)、農業用フィルム、電線被覆、牛乳パックの内張りフィルム、

高密度ポリエチレン…包装材(フィルム、袋、食品容器)、シャンプー・リンス容器、バケツ(ポリバケツ)、ガソリンタンク、灯油かん、コンテナ、パイプ

EVA樹脂…農業用フィルム、ストレッチフィルム

その他にも、寒冷地のコンテナ、灯油缶、土木用シート、パレット、耐候剤やカーボンブラックを添加することによって、数十年の寿命が要求される電線被覆、鋼管被覆にも使用されています。

ポリエチレン(PE)の短所

ポリエチレンの短所は、

・接着性に悪いという特性を持つことから塗装や印刷には注意が必要
・耐熱性は低いため火や熱に弱い

という2つの点です。ただし、長所でも述べましたが、低温化でのあらゆる耐性に優れていて、寒冷地では、様々な強度が求められるコンテナとしても使われています。

ポリエチレン(PE)と成形性

ポリエチレンの種類に「低密度」と「高密度」があることは前述しましたが、これはポリエチレンが容易に密度を変えるという特徴を持っているからです。

高密度から低密度までの性状の異なるポリエチレンが製造可能になります。

また、超高分子量ポリエチレンという種類もあり、スーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれ、分子鎖が太く強くなるので、環境温度が高温になっても分子は運動しにくくなり、非常に耐熱性に優れる素材になります。

「スーパーエンプラ」と略して呼ばれ、耐熱基準として、連続使用温度が150℃以上とする見方があります。

超高分子量ポリエチレンは、ポリカーボネートを上回る非常に高い耐衝撃性を持っていると言われています。ポリカーボネートは、スマホケースでよく使われており、ガラスより圧倒的に軽量ですが、250倍以上の耐衝撃性を持っていると言われています。

超高分子量ポリエチレンは、耐熱性と耐衝撃性に非常に優れた有能な素材であることが分かりますね。

ポリエチレンは「成形性に優れている」とよく言われますが、この「成形性」とは、素材の形がいろいろな変化させやすいという意味です。詳しく言えば、成形性とは、「割れを生じることなく所要の形状に成形し得る程度」のことです。成形性には、

<絞り>…一枚の板素材から円筒・角筒・円すいなど、さまざまな形状の底付容器を作る加工法
<張出し>…一枚の板素材に下から山形になった素材を押し出すことで形状を変える加工法
<伸びフランジ>…パンチ低部に穴を開けて穴の縁が円周方向に伸びるようにした成形法
<曲げ>…一部分を局部加熱等で軟化させ、軟らかい間に曲げる加工法

の四つに分けられます。

ポリエチレン(PE)とリサイクル

回収したポリエチレン(PE)の製品をペレット状に分解し、溶かしたあと、上記で述べた加工方法により再利用するケースが多い。リサイクル技術の発達により、熱可塑性樹脂糸であるフィラメントに分解することもあります。

201712-01-02

参考:『プラスチックの素「ペレット」ってどんなもの?プラスチックのリサイクルは何が大変なの?』

ポリエチレン(以下PE)のリサイクルは100%原燃料化可能なきわめて効率的な資材です

実際問題として汚れ等(粘着テープ、泥)の付着があるので原燃料化は難しいとも言われています。

APME(欧州樹脂製造者協会)のリポートによればプラスチック包装材をもし使用しなければ 代替包装材料の重量が129%増加、さらにその材料を生産するエネルギーが108%増加、そしてその体積は158%増加すると報告されています。そのリポートからもわかるようにPEは環境負荷が低い材料と言えます。

ポリエチレン(PE)とEVA樹脂

ポリエチレンにはEVA樹脂と呼ばれる種類のものがあります。EVA樹脂のEVAは、エチレン ビニールアセタート コポリマーの略です。一般的なポリエチレンに比べ、

・柔軟性、ゴム弾性に優れている
・耐衝撃性に優れている
・低温特性に優れている
・透明性が高い
・光沢がある
・耐候性に優れている
・接着性に優れていて、着色や塗装がしやすい

という特徴を持っています。ポリエチレンはポリエチレンでも、用途によって、変化を加えた素材にすることができるというのが、凄く世の中で役に立っているわけです。

ポリエチレンと添加剤

ポリエチレンは製造の段階で、よりよい素材になるために、添加剤が含まれます。ポリエチレン原料に含まれている添加剤は、

・酸化防止剤
・滑剤
・アンチブロッキング剤

が利用されます。酸化防止剤は、融解して餅状になった原料を環状にして押し出し、高圧の空気を送り込んで膨張させ筒状の薄膜をつくる「インフレーション工程」において、加熱溶融時の酸化を防止するために原料として使われます。

滑剤は、滑りやすくするための素材で、滑りやすくなることで、耐摩耗性を高め、製袋加工時製袋スピードのアップや生産性を高める効果があります。

アンチブロッキング剤は、練り込むまたは塗工することで、素材の表面に凹凸性を付与し、素材同士の密着を抑制する効果があります。傷付き防止や密着を抑制する効果があります。

ポリエチレン(PE)とカーボンニュートラル

南米最大の化学メーカーBraskem S. A.は、2011年より世界で初めて商業生産を開始したサトウキビから作られた植物由来ポリエチレンを主原料に使用。本来の原料となる石油を使用しないため、石油資源代替が可能な環境に優しいポリエチレンとなっています。

サトウキビのような植物由来の樹脂はグリーンポリエチレンと呼ばれています。

サトウキビはは、植物なので育成段階で光合成によりCO2を吸収しているため、廃棄物として焼却される際のCO2排出量をゼロ(カーボンニュートラル)とみなすことができます。

<参考資料>
・『主なプラスチックの特性と用途|日本プラスチック工業連盟』
・『ポリエチレンの特徴|技術情報|株式会社プライムポリマー』
・『ポリエチレン(PE)の特性と用途 包装材からスーパーエンプラまで | ものづくり情報サイト「i‐maker news(アイメーカーニュース)」』
・スーパーエンプラ(樹脂材質)|KDAのプラスチック加工技術
・スマホケース素材5選|特徴とメリット・デメリットを徹底比較 | スマホアクセサリーの総合メディア | バルーンスタイル
・『用途:アンチブロッキング剤(AB剤)|微粉体|綜研化学』
・『ポリエチレンと環境 | 株式会社ヤトー(YATOH CORPORATION)』
・『植物由来ポリエチレン製品「Bipro®-PE」 | 製品情報 | 株式会社アイセロ』




LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

COMMENT ON FACEBOOK