初心者でも分かる「放射線」のイロハ、あなたも受けている被ばくについて

初心者でも分かる「放射線」のイロハ、あなたも受けている被ばくについて

皆さんは「放射線」と聞くと、どのようなイメージがあるでしょうか?
なんとなくニュースで耳にする言葉ではあるけれど、「放射線って何?」と聞かれると、具体的なワードや説明が出てこなかったりしますよね。

そこで、今回は初心者の方でも分かりやすく理解できるように、放射線のイロハについて掘り下げていきたいと思います。

放射線と放射能の違いって言えますか?

放射線を出す物質を「放射性物質」
放射線を出す能力を「放射能」

放射能とは、不安定な原子核が放射線を出しながら別の原子核に壊れていく性質のことで、単純に「原子核の崩壊」と呼ばれることもあります。

放射能の強さは、1秒間あたり何個原子核が壊れるかで表されます。
放射能の強さと放射線の強さは同じではありません。

放射線の種類とは?

放射線には、

・アルファ線
・ベータ線
・ガンマ線
・中性子線

医療で診断に使われるレントゲン撮影や、CTスキャンなどのX線は、ガンマ線の一種です。

また、放射線は電磁波の一種になります。電磁波はラジオやテレビ放送に使用される電波、携帯電話の通信に使用される電波、電子レンジなどに使用されているマイクロ波、熱線といわれる赤外線、太陽光線など自然界の紫外線、高圧線や変電所などからでている低周波などがあります。

放射線の量のセンスって磨いてますか?

「放射線=危ない」という認識の方は、まず、放射線の量に関するセンスを磨いていきましょう。以下、放射線を受けるシチュエーションとその量について並べてみました。

東京~ニューヨークの往復飛行…0.2ミリシーベルト
胸部X線コンピュータ断層撮影検査(CTスキャン)…7.9ミリシーベルト
原子力発電所周辺年間放射量…0.001ミリシーベルト未満
原子力や放射線を取り扱う作業者の線量限度…1年で50ミリシーベルト、5年で100ミリシーベルト
イランのラムサール…年間260ミリシーベルト(局所)

ここでミリシーベルトという単位が出てきましたね。
このミリシーベルトこそが、放射線を語るうえで、あらゆる基準となる単位になります。

日常生活で毎日被ばくしてるって知ってる?

私たちは日々の生活の中で被ばくをしています。(財)原子力安全研究協会「新版 生活環境放射線(国民線量の算定)」(2011年)によれば、日本人の被ばくは、

・宇宙から 0.3ミリシーベルト
・地面から 0.33ミリシーベルト
・空気から 0.48ミリシーベルト
・食べ物から 0.99ミリシーベルト

という割合になっています。これにレントゲンやCTスキャンなどの医療による被ばくを入れると、個人差が出てきます。

28-02

画像は放射線医学総合研究所より

2013年5月に放射線医学総合研究所が作成した「放射線被ばくの早見図」によると、日本人が受ける1人当たりの自然放射線は、年間約2.1ミリシーベルトと言われています。

電気事業連合会では、日本人が1年間に受ける放射線量の平均は、医療も含め、3.75ミリシーベルトとしています。医療で受ける放射線は「人口放射線」で、先ほどの日本人の受ける放射量年間平均約2.1ミリシーベルトは、自然放射線量になります。

世界の平均は1年間に受ける放射線量の平均は3.13ミリシーベルトで、人口放射線量と自然放射線量を足すと、日本人の平均は高くなります。日本人の平均数値が高いのは、X線撮影などの医療からの放射線量が世界の0.61ミリシーベルトに対して、2.25ミリシーベルトだからです。

つまり、自然の放射線よりも、人口の放射線に目を向けるべきとも言えますよね。

福島の被ばく線量について

福島県立福島高校(福島市)の生徒たちが、国内外の高校生らに線量計を送り、個人の外部被ばく線量を調べた結果が興味深いデータとして話題になりましたね。

福島県内…年0.63~0.97ミリシーベルト
岐阜県恵那市…年0.87ミリシーベルト
横浜市0.59ミリシーベルト

全世界平均では年間 2.4~3.0 ミリシーベルト。、年間被曝量は、アメリカでは平均3ミリシーベルト、ヨーロッパは地質の影響で4~5ミリシーベルトと言われています。

日本人が1年間に受ける放射線量の平均は、医療も含め、5.98ミリシーベルト。日本人の平均数値がやや高いのは、X線撮影などの医療からの放射線量が世界の0.6ミリシーベルトに対して、3.87ミリシーベルトと高いことが主な理由になります。

上記の福島県立福島高校の生徒たちが行ったデータは、自然被ばくのデータです。自然被ばくよりも、医療による被ばくの方が数字がとても大きいのです。

放射線によって人体の細胞が傷つく流れ

公益財団法人 放射線影響研究所の「放射線が細胞を傷つける仕組み」を参考にすると、放射線によって人体の細胞が傷つける特徴と流れは以下のようになります。

・放射線によって生じる電子の放出は、どの電子に起こるか分からない
・化学的に極めて不安定でめちゃくちゃな化学反応してしまいます
・放射線によってたたき出された電子は、細胞の中をでたらめに走り回ります
・細胞を構成するいろいろな分子に傷がつきます
・細胞核にある染色体のDNAにも損傷が及ぶことがあります

放射線とガンの関係は一度に大量の放射線を受けるかどうか

世界で自然放射線が高い地域の一つであるブラジルのガラバリでは、年間約10ミリシーベルトの放射線を受けることになります。しかし、ブラジルのガラバリでは、他の地域に比べて、がん・白血病などの発生率が高いということはありません。

国際放射線防護委員会では、放射線がガンの影響として明確になるのは、一度に100ミリシーベルト以上の放射線を受けた場合としています、

白血病として影響が出るのが数年後だったり、ガンとして影響が出るのが数十年後と言われています。

最後に

以上、放射線についての基本知識について述べてきましたが、いかがだったでしょうか?福島第一原子力発電所事故のこともあり、多くの情報が交錯していますが、今回の記事で放射線に関する情報を読み取る際のリテラシーを身に付けて頂けたらと思います。

これからも私たちは多くの環境問題に接していき、その都度、自分たちで情報を読み取っていく必要があります。ぜひ、こらからも、エコラシーをエコのリテラシーを身に付ける場所として活用して頂けたらと思います。




コメント03290 PV
CATEGORY :

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

COMMENT ON FACEBOOK