オーストラリアのお札はプラスチック製?海外の紙幣事情、プラスチック紙幣の特徴とメリット・デメリットとは
皆さんが使っているお札と言えば「紙幣」ですよね。
紙幣とは読んで字のごとく、紙でできた貨幣です。
しかしながら、海外では、お札をプラスチックから作っている国がたくさんあります。
プラスチック産紙幣の発祥はオーストラリア
プラスチック紙幣は、ポリマー紙幣と呼ばれ、オーストラリア準備銀行(RBA) とオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO))の共同開発によって作られました。
もちろん、世界で初めて発行したのもオーストラリアで、発行した年は1988年になります。
オーストラリアだけじゃない!プラスチック紙幣を導入している国とは?
すべての金額の紙幣といわけではありませんが、プラスチック紙幣を導入している国は、
インドネシア、北アイルランド、カナダ、グァテマラ、クウェート、コスタリカ共和国、サモア、シンガポール、スリランカ、ソロモン諸島、中国、タイ王国、台湾、中国、チリ、ナイジェリア、南極、ドミニカ共和国、ニュージーランド、ニカラグア、ネパール、パプアニューギニア、パラグアイ、バングラデシュ、フィジー、ブラジル、ブルネイ、ベトナム、香港、北極領、マレーシア、メキシコ、ルーマニア
など、多くの国を上げることができます。
そもそもなんでプラスチック紙幣が開発されたの?
プラスチック紙幣が開発された背景は、「カラーコピーの飛躍的な性能向上に伴う偽造」が危惧され、紙幣のセキュリティを高める必要があったためです。
紙・布・皮などの素材を使った紙幣は、素材の調達がしやすく、発達した印刷技術と組み合わせれば、手軽にハイクオリティな偽札を造ることが可能になります。
そこで一役買ったのが、プラスチックだったのです。
プラスチック製紙幣のメリットとは?
プラスチック紙幣のメリットは以下のようにたくさんあります。
・耐久性や防水性に優れ、耐用年数が長い
・リサイクルもしやすく、環境に優しい
・偽造がしにくい
・汚れにくい
・紙より雑菌を吸収しにくい
プラスチック札の生産コストは、紙幣の1.5倍~2倍と言われていますが、耐用年数の長さを考えるとプラスチック紙幣は、生産低コストを抑えることができるという意見もあります。
プラスチック製紙幣のデメリットとは?
もちろん、紙素材の紙幣と素材が違うわけですから、紙素材とは違う使い勝手も存在します。プラスチック紙幣のデメリットとして言われているのは…
・お札が滑りやすい
・お札同士がくっつき扱いにくい
・紙のように簡単に折ることができない
・水に強い半面、火には弱い。
・薄すい素材が扱いづらさに繋がる。
その他にも、アルコールに弱いという特徴があり、ベトナムでは紙幣についた油性インクを消そうとしてアルコールで拭いたところ、印刷文字が消えてしまったというトラブルも起きてしまいました。
プラスチック紙幣が導入したばかりの国では、紙素材と併用することになりますから、自動販売機やATMなどの機械が対応していない場合があり、デメリットを感じることもあるようです。
紙幣は手で渡すということだけでなく、社会の中のあらゆるシステムの中に組み込まていくので、そのシステムがプラスチック紙幣に対応するようにアップデートしていく必要もあるのです。
とは言っても、日本の紙幣はハイクオリティ
オーストトラリアがプラスチック紙幣を開発したのは、紙幣のセキュリティを高めるためでしたね。
結果的にはエコにも繋がっていくのですが、紙幣のセキュリティという側面を考えると、日本のお札はかなりのハイセキュリティなお札だと言えます。
ものづくりの高い技術力を誇る日本では、中央の透かし以外に「漉き入れバーパターン」と呼ばれる縦の棒線の透かしが入っていて、さらには、肖像画の顔や「日本銀行券」の文字、額面はすべて非常に細い線や点で描かれています。
驚くことに、日本のお札を拡大鏡で覗くと、「NIPPON GINKO」という文字があちこちに散りばめられていています。トドメは紫外線を当てると表の印章部分や「NIPPON」の文字だけが光るようになっています。これは特殊発行インクを使うことで、可能になっています。
紙幣の印刷スキルを極端に高くすることで、そもそも偽造をする気持ちを削ぐことができます。日本の紙幣はその点では素晴らしと言えるでしょう。
最後に
今回は、オーストラリア産のプラスチック紙幣について、掘り下げていきました。エコという観点から導入されたのではなく、セキュリティという観点から、プラスチック紙幣が導入されたということが分かりましたよね。
さらには、プラチック紙幣のメリットとデメリットも様々でした。
今回のプラチック紙幣における知識から分かることは、これからの紙幣は、エコとセキュリティと社会のシステムのバランスの取れたお札が求められるということです。
また、プラチック紙幣の品質も上がれば、多くの社会のシステムに対応することができ、より普及していくかもしれません。
身近な所にエコのことを考える機会は多いものです。ぜひ、今回の記事を参考にしてみて下さい。
LEAVE A REPLY