あの資源ごみは何に生まれ変わる?定番資源ごみ10 つのリサイクル品
資源ごみを捨てることは、誰もがごく当たり前に行っていると思いますが、自分が捨てている資源ごみが何に生まれ変わるのかをご存知でしょうか?
資源ごみは、一般に再資源化が可能なごみの総称のことです。資源ごみは特定の業者に持っていくことによって換金できるものもあります。ホームレスの生活費稼ぎの一つにもなっていますよね。学校や地域コミュニティで持ち込んで、募金・車椅子寄贈などを行うこともできます。
自分が捨てているごみが何に生まれ変わっているのかを理解できれば、リサイクルへの意識を高めることができます。そこで今回は定番資源ごみ10 つのリサイクル品についてご紹介していきます。
1、ガラス瓶
ガラス瓶は細く砕いたカレット(ガラス製品を破砕した状態のガラス屑)と、ケイ砂、石灰石、ソーダー灰から作られています。ガラス瓶はごみとして捨てられると、「びんtoびん」のリサイクルで、何度でも、新しいびんになります。
瓶には何度も使えるリターナブル瓶と一度しか使われないワンウェイ瓶があり、リターナル瓶は、洗浄して再利用され、ワンウェイ瓶は、色別に分けて細かく砕きリサイクルされます。
瓶を成分であるカレットの中でも、無色と茶色は、新しいびんの原料として多く利用され、瓶以外では、住宅の断熱材、アスファルト舗装、カラー舗装、タイルなどにリサイクルされます。カレット工場で細かく砕かれて、新しいガラスびんの原料やその他の用途に再
利用されます。あきびんを砕いてつくるカレットを、新しいびんの原料として利用することにより、大切な天然資源を節約でき、さらに原料を溶かす時間が短縮され、省エネルギーにもなります。
2、スチール缶
スチール缶は、鉄で出来ており、保温性があり、丈夫で磁石に引っ付く缶です。コーヒーや紅茶、ミルクが入った飲み物は高温加熱殺菌などの方法で念入りに殺菌しなければいけないため、アルミ缶では強度が弱くつぶれてしまうので、スチール缶が使われていると言われています。
ごみになったスチール缶は、1,000個以上にまとめて押しつぶされて、鉄の原料(鉄スクラップ)となります。その後、高温で溶かされて、スチール缶としてだけでなく、鉄筋、鉄骨、鉄板などの原材料となります。建物や橋や家電や自動車部品などの鉄製品としても活躍します。
2014年の世界の粗鋼生産量は史上最高の約16億7千万トン。世界的に製鋼原料としての鉄スクラップの需要が高まっています。また、日本の粗鋼生産量も年間1億トンを上回り、高い需要があります。スチール缶スクラップは高品質で有用性があり、評価が高まっています。
3、アルミ缶
アルミ缶はアルミニウムで出来た缶で、熱伝導率が良く、軽くて値段が安いという特徴があります。二酸化炭素が中から外に出ようとする力で缶は膨らむので、アルミ素材の伸びる性質でその力に耐えることができ、多少の衝撃にも耐えられることから、炭酸飲料に多く使われています。
ごみになったアルミ缶かんは1,000 個以上にまとめて押しつぶされて、アルミニウムの原料(アルミ缶スクラップ)となります。その後、アルミニウムを作る工場に運ばれ、高温で溶とかされて、約6割が、もう一度アルミ缶へと生まれ変わります。残りの4割のアルミ缶は、品質の良い鉄を造るために脱酸剤として利用されたり、アルミ鋳物製品(自動車部品など)に再利用されています。
4、ペットボトル
ペットボトルは、ポリエチレンテレフタレートという樹脂が原料です。ポリエチレンテレフタレートは、石油から作られるテレフタル酸とエチレングリコールを原料にして、高温・高真空下で化学反応させてつくられる樹脂になります。軽くて丈夫で柔軟性があり、軽度のへこみであれば自ら元に戻る性質を持っています。
ペットボトルは、様々な製品にリサイクルが可能で、衣料品、生活雑貨、作業服、学生服、企業向けの制服、スーツ、シャツ、トレーナ、カバー、帽子、タオル、エプロン、スポーツウェア、白衣、手袋、ソックス、カーペット、フラワーポット、農業用緑化シート、ゴミ置き場のネット、防球ネット、運動マット、野球用ベース、陳列トレー、たまごパック、布製ショッピングバック、スリッパ、ハンガー、定規類、下敷き、クリアーホルダー、名刺、ポスト・イット、ペンケース、粘着布テープ、 水切りネット、レンジフードフィルター、掃除用取替えシート類、障子紙、化粧品の容器、傘など、ありとあらゆるリサイクルの手段があります、
PETボトルリサイクル推進協議会「PETボトルリサイクル年次報告書2013」によると、ペットボトルからリサイクルは、トレイや卵パックなどのシートが41%、シートやシャツなどの繊維が41%、ペットボトルが13%、文具、資材などの成形品が5%という割合になっています。
5、プラスチック製容器包装
プラスチック製容器包装は、文字通りプラスチックでできた商品を入れる容器や商品を包む包装です。プラスチックは熱や圧力を加えることにより成形加工のできる、高分子物質で、一般的にプラスチックと言うときには、石油から生まれた合成樹脂のことを指します。
プリン、アイスクリーム、を入いれるカップ、豆腐、味噌などを入いれる容器、肉や魚を入いれる発泡スチロールトレイ、お菓子袋、レジ袋などのポリ袋、シャンプーや洗剤を入れるボトルなど、多くの商品のパッケージでお馴染みとなっています。
プラスチック循環利用協会「2012年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」によると、プラスチック製容器包装はごみとして燃やした時の熱発電などの熱利用されているものが約60%となっています。
6、紙
紙は、週刊誌、漫画本、専門誌、単行本、百科事典、教科書、カタログ、包装紙、パンフレット、メモ帳、シュレッダーした紙、お菓子などの紙箱、レシート、紙袋、段ボールなどがごみとして出されます。
牛乳パックは、外からばい菌が入るのを防ぐために、紙の両面をポリエチレンで覆っているため、他の古紙と混まぜずに分別、収集されています。基本的に紙は新聞紙は新聞紙に、雑誌は雑誌にリサイクルされます。牛乳などの紙パックは、トイレットペーパーやティッシュペーパーへリサイクルされます。
7、自動車
自動車は、鉄、アルミニウム、銅、鉛、ガラス、ゴム、プラスチックなど、多くの材料から作られています。
日本では、2005年1月から「自動車リサイクル法」がスタートし、自動車の所有者が車のリサイクル料金を負担すうrことになっています。リサイクル料金は、シュレッダーダスト、エアバッグ類のリサイクル、フロン類の破壊に使われます。
シュレッダーダストは、車を破砕した際に出るプラスチックやガラスが主成分の屑のことです。以前は埋立処分されていましたが、自動車リサイクル法が施行されてからは、溶融スラグや有用ガス等にリサイクルされるとともに、燃焼により発生するエネルギーは熱回収(サーマルリカバリー)されます。
その他、自動車で出たごみは、ボディの部分は鉄筋や鉄骨、アルミホイール、エンジン部品は自動車の部品に、タイヤは工場の燃料に、プラスチック部品は、燃料、プラスチック部品、窓ガラスは道路の石や砂、ガラスウール(家の断熱材)などにリサイクルされます。
8、自転車
自転車は、区市町村や販売店で引き取られリユース、リサイクルされます。使い終わった自転車は「粗大ごみ」として、区市町村区へ出されるケースがほとんどですが、不法投棄や放置なども問題になっています。
回収された自転車は、ほとんどが鉄の材料としてリサイクルされています。
9、家電製品
家電と言えば、「家電リサイクル法」ですよね。家電リサイクル法では、廃棄する場合は、「リサイクルが確実に実施されるよう使用済家電を引取り適正なリサイクルを行う者に引き渡し、リサイクルに関する料金の支払に応じ、リサイクルを行う者がこの法律の目的を達成するために行う措置に協力しなければならない。」(家電リサイクル法 第6条)とされています。
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目が家電リサイクル法の対象となっています。
店舗で回収された家電製品は、家電リサイクル工場に運ばれ、分解・破砕され、鉄、銅、アルミ、プラスチック、ガラスなどの原料として使用できる状態になるまで種類ごとに選別されていきます。その後、鉄、銅などを作る工場に原料としてうられ、さまざまな製品に生まれ変かわります。
10、パソコン
パソコンのリサイクルについては、2003年10月に施行されたパソコンリサイクル法で、家庭向けに販売されたパソコンやディスプレイの回収とリサイクルをメーカーに義務付けています、
リサイクルの料金は、机上型パソコン本体・ノートパソコンと液晶ディスプレイ・液晶ディスプレイ一体型パソコンは3000円、CRTディスプレイ・CRTディスプレイ一体型パソコンは4000円です。
パソコンは鉄、銅、アルミ、金、ん、プラスチック、ガラスなど、さまざまな原料へとリサイクルされます。
何にリサイクルされるかイメージできれば、リサイクルの意識はどんどん高まる
以上、定番資源ごみ10 つのリサイクル品について説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
資源ごみは、世の中のいろんな場所で再利用されていますね。
使い終わった瞬間、自分にとっては「ごみ」かもしれませんが、それはきちんと廃棄された後に、すぐに立派な資源に生まれ変わるのです。
もはや、「ごみ」という言い方を変えて、別の価値が高まるような呼び方をした方がいいかもしれませんね。
自分が使うものをまずは大事にすること。そして、使い終わったら、そのごみがどのようにリサイクルされるのかをイメージすること、それが資源ごみをより活かすことに繋がっていきます。ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。
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