超身近な食の環境問題のまとめ。食品偽造から添加物、自給率、飽食、偏食、遺伝子組み換えまで

超身近な食の環境問題のまとめ。食品偽造から添加物、自給率、飽食、偏食、遺伝子組み換えまで

食べること、それは私たちが生きるでとても大切なことです。
食は衣食住として、生活の重要な三本柱として人を支えています。

そこで、注目したいのは私たちを取り巻く食の環境です。
今回は、現在、私たちはどのような食の環境の中に置かれ、どのような問題を抱えているのか、食の環境問題についてまとめてみました。

1、食品偽造問題

食品偽造問題は、

・生産地を偽って表示する「産地偽装」、
・原材料を偽って表示する「原材料偽装」、
・賞味期限を本来より後の日付に偽って表示する「賞味期限偽造」
・消費期限を本来より後の日付に偽って表示する「消費期限偽造」
・食用でないとされたものを食用と偽って販売する「食用の適否の偽装」
・成分や添加物を偽って表示する「成分表示偽造」

などがあり、メーカー、レストラン、スーパー、弁当屋など、あらゆる食の環境で起こるリスクのある問題となっています。

食品偽造問題の衝撃は、本来、食の安全を守るために可視化した情報が消費者を騙すためのツールとして逆手に取られた点にあります。

この問題の一番の解決策と成るのが「トレーサビリティシステム」です。物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能なシステムのことです。日本ではBSE問題から牛肉に、事故米穀問題から米・米加工品にトレーサビリティが義務化されています。

このトレーサビリティシステムいかにをクリーンかつ厳しいものにするできるかが、食品偽造問題解決の鍵となるでしょう。

また、本来の表示義務、安全基準が必要以上に高く、製造者にとって負担になっていないか、消費者に危険を必要以上に煽っていないかなど、食の安全についての本質的な見直しも必要となってくるでしょう。

2、食品添加物危険性問題

食品添加物については、何かと議論になりますよね。「発がん性」「アトピー」「花粉症」「催奇形性」という切り口でネットメディアの記事で、拡散されるものも多く、皆さんも何かしらの記事を目にしたことがあるのではないでしょうか?

「食品添加物」とワードを聞くと、反射的に「危険」という思考に達してしまう方も多いかもしれませんが、重要なのは「食品添加物を実際にどの程度摂取しているかを把握し、食品添加物の安全性を知る」ということです。

今の時代に食品添加物を全て排除した生活をするのはかなり難しいと言えます。その中で、自身が生活でよく口にする食品添加物の性質を知った上で、摂取しても良い安全な量を知ることが、食品添加物と上手に向き合う生活と言えます。

食品添加物については、厚生省の「マーケットバスケット方式による年齢層別食品添加物の一日摂取量の調査」や一般社団法人 日本食品添加物協会「食添GMPガイドブック」の出版物が非常に参考になります。食品添加物に興味のある方は、ぜひチェックしてみて下さい。

3、食品自給率問題

日本の食料自給率は減少傾向にあり、カロリーベースで39%となっており、食糧をエネルギーとして見た場合、約6割を輸入に頼っている形になります。

食品自給率とは食品自給力、もしくは、食を供給する持久力と言っても良いでしょう。
なぜ、食品自給率の高さが、食を供給する持久力に繋がるかと言うと、それは、海外から食を輸入できなくなってしまったときに、私たちの食生活が一気にバランスを崩してしまうからです。

私たちの食生活に密接に関わっていると言えるのが、世界的な人口爆発問題です。海外で人口爆発が起こると、海外で多くの食糧エネルギーが必要になります。そうなると、諸外国が輸出に回していた食糧が、国内消費に回すことになり、日本のような食品自給率が低い国は、食のバランスを一気に崩すことになります。

参考:人口爆発のホント。人口爆発の原因と先進国がやるべきこと

4、飽食、偏食、食事の洋風化問題

日本人は世界第3位の飽食国家で、1人当たりの食糧供給量を比較すると、日本では必要なカロリーより 31%も多く、食糧を摂取していることが分かります。

食品自給率が低くても、まずは飽食文化を変えることで、未来の食のリスクを軽減できるとも言えます。

また、日本では晩婚化、核家族化が進んでおり、個人の偏ったライフスタイルによる偏食化も問題となっています。「食事は皆で囲んで食べる」というようなコミュニティを多く形成することで、偏食化を防ぎ医療費削減することができたり、出会いの場となり、少子化対策に繋がっていくかもしれません。

さらには日本の伝統的な食文化が過去のものとなってしまったことも食の環境の問題として考えるべき問題であります。2013年、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されましたよね。

米や野菜など食料自給率の高い食料を中心とした食生活から、畜産物や油脂、加工食品等を多く摂取する食生活へ変わっていったことが、先ほど述べた食品添加物問題や食品自給率問題の引き金となっているとも言えます。

5、遺伝子組み換え食品問題

遺伝子組み換えとは自然界で起こらない遺伝子操作を強制的に行うことです。
ここでピンと来る方は、品種改良と遺伝子組み換えがどう違うのかということですが、品種改良は、「病気に弱いけど美味しい品種」と「病気に強いけどまずい品種」を交配して育てることで、「病気に強くておいしい品種」を長い期間にわたって完成させるのに対して、遺伝子組み換えは、「病気に弱いけど美味しい品種」の遺伝子に介入し、「病気に強くておいしい品種」を作る行為になります。

遺伝子組換え問題の争点は、遺伝子を操作することによって、他の部分のバランスや機能が失われることにあります。例えば、伝子組み換え種子を使用するアメリカの農場の多くで除草剤や殺虫剤が効かない強力な雑草や害虫が出現し、農家が大きな損害を受けることが問題になっています。証明されていない安全性がゆえに、有害な”可能性”を示す研究結果、また、その逆もあり、いろんな議論が飛び交っている状況です。

地産地消というエコライフが食の環境を改善する第一歩

地産地消とは、その土地で生産されたものをその地域で積極的に消費していこうという運動です。日本各地の都道府県で地産地消に取り組む生産者と消費者への活動に対して、支援が進められています。

簡単に言うと、地元で作って、 地元で採れたての生産物のみを販売して、地元の食に触れて、市(いち)の開催や学校給食で地元の食材を取り入れたコミュニティを盛り上げて、子供の頃から地域の食品への関心を持つような食育を行ったり、地元の食品をテーマにした料理コンテストの開催などを行い、食のイベントで地域を活性化させたりというような運動です。

地元のものを消費することは消費エネルギーのカットにつながり、エコ活動の一環といえます。また、地場産業を守ることや地域の食品を通して、地域の伝統や文化を引き継いでいく大切な活動でもあります 。

地産地消と似た概念で、フード・マイレージという言葉が使われることもあります。フードマイレージとは食料の ( = food) 輸送距離 ( = mileage) 」という意味で、食糧の輸送により排出される二酸化炭素が地球環境に負荷を与えることから、注目された概念です。

私たちの身近の食を育てることが、これからの食の環境を良くすることに繋がります。食を安全に楽しく摂るためには、それなりの余裕も必要になり、日本の抱える晩婚化や核家族化を解消するコミュニティスペースを作っていくことも重要になります。

ぜひ、今回の記事をきっかけに、皆さんもご自身の食の環境について考え直してみて下さい。




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