風力発電の建設費と維持費のいろいろ

風力発電の建設費と維持費のいろいろ

1kWに掛かる費用は約22万円

2030年時点での建設費用は22.0万円/kWとなっており、

・タービン・電気設備等が15.1万円
・基礎・系統連系・土地等が6.9万円

が費用の内訳です。さらに年間維持費が0.6万円/Kw掛かります。

現在の国内の風力発電建設スピードを勘案すると、2030年時点で26.8~30.0万円/kWなるとも言われています。

でも、kWの電力量あたりで建設費用を算出されてもピンと来ませんよね?
そこで、実際にいろんなシュミレーションを見ていきましょう。

10MW(メガワット)の風力発電所を建設する場合

10MW(メガワット)の風力発電所を建設するためには30億円の費用が掛かるようです。現時点で日本最大の風力発電所である島根県「新出雲ウインドファーム」は、10MWの約8倍の78MWありますから、30億円の約8倍として、建設費は240億円になります。

では、ここで風力発電の設備利用率が20%と想定しましょう。
風力発電の好ましい条件(平均風速が6メートル/秒以上)をクリアした場合は設備利用率がだいたい20%になるようです。

年間の売電収入

・10000kW×20%×22円/kW×24時間×365日=3億8544万円

費用

・30億円の建設費
・運転維持費が年間に6000円/kW
・買取期間20年の費用の場合=30億円+10000kW×6000円/kW×20年=42億円

買取期間20年の収入

・3億8544万円×20年=77億880万円

買取期間20年の利益

・77億880万円-42億円=35億880万円

採算の目途が立つことが分かりますね。

※スマートジャパン「10MWの風力発電所の建設費は?」を参照

2,000kWの大型風車の場合

2,000kWの風車1基の建造費は 2,000kW×30万円/kW=6億円
1年間の運転維持費は2,000kW×0.6万円/kW/年×1年=1,200万円

2,000kW風車1基1年間で3,504,000kWh×23.1kW/h=80,942,400円(約8,100万円)の収入を得られます。

※大型風車は洋上風力発電の調達価格に係る研究会とりまとめ報告書を参照
※買い取り価格は平成25年度の風力発電電力の買い取り価格は20kW以上の大型風車については23.1円/kWhで計算。

もし、1kWの風力発電機を持っていたら…

計算の仕方は同じなのですが、1kWの風力発電を持っていたらという想定でやってみましょう。

<1日の電力量>1kW×24h×20%(設備利用率)=4.8kWh
<1年の電力量>4.8kw×365日=1752kWh
<1年の収入>23.1円/kW×1752kWh=約40471円

<毎年の変化>
1年目 費用22.6万円 収入4.0万円 -18.6万円
2年目 費用0.6万円  収入4.0万円 -15.2万円
3年目 費用0.6万円  収入4.0万円 -11.8万円
4年目 費用0.6万円  収入4.0万円 -8.4万円
7年目 費用0.6万円  収入4.0万円 +2.8万円

基本的に7年目から黒字になるようです。

最後に

以上、風力発電の建設費と維持費のいろいろということで、建設費と維持費と収入と利益などを概算しましたが、いかがだったでしょうか?

後はリスクマネジメントが大切になっていきます。

・設置環境の風況の見積りを誤らないこと
・全然風が吹かない場所に建てないこと
・台風、落雷などの災害による管理費用の膨大を防ぐこと
・工事の段階で本体の質を落とさないこと
・保険などを含めたバックアップの加入

その他、見た目としての風力発電に拘ったて、観光などの誘致に使い、別のプロダクトを観光客に購入してもらうなど、風力発電の活かし方は様々です。

ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。




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