風力発電のポテンシャルってどのくらい?土地、電力、導入、撤廃などの知識

風力発電のポテンシャルってどのくらい?土地、電力、導入、撤廃などの知識

風力発電は、設備容量も設置基数も増えている

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画像はスマートジャパンより

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のデータを見れば、1989年から2014年までの日本における風力発電の設備容量も設置基数は、上記の図の通りです。

近年は伸びが鈍化していますが、それでも着実に電力量も発電機の数も増えていることが分かりますよね。

風力発電は、導入のポテンシャルが低い?

2012年10月から、出力7500kW以上の風力発電所が環境影響評価の対象に加えられました。実は、これが近年の風力発電機の設置数の数が伸び悩んだことと関係しています。

なぜなら、環境影響評価は実施するのに非常に手間が掛かるからです。通常ですと、2~3年は必要になります。

風力発電は、環境に悪い?

風力発電は鳥などの生息に影響を与えるほか、騒音によって人体に健康被害をもたらす可能性があります。

大規模な風力発電設備を建設するに注意が必要ですが、最近では多様なサイズの風力発電機、騒音がかなり軽減されてきた風力発電機が登場し、その制度は日に日に高まっています。

風力発電は、意外と多く撤廃されている

「日本における風力発電設備・導入実績 (2015年3月末現在)」のリストから、全基撤去または休止の設備、もしくは、設備内に撤去および休止した基を数えたところ、その数は192。

この192は、設置場所の数で、風力発電機の数でいうと、もっと多いことが分かります。

風力発電の二酸化炭素排出量に対するポテンシャルは?

(財)電力中央研究所 日本の発電技術のライフサイクルCO2排出量評価を参考にすると、風力発電の二酸化炭素排出量は1kWh発電するのに25グラムになります。

石炭火力が943グラム、石油火力が738グラムなので、かなり少ない数字であることが分かります。

ちなみに、太陽光発電は38グラム、原子力が20グラム、地熱が13グラムになっており、原子力発電と地熱発電の方が、二酸化炭素排出削減に対するポテンシャルは高いと言えますね。

風力発電の導入ポテンシャル:陸上風力と北海道

再生可能エネルギーポテンシャル調査報告書では、風力発電の全国の導入ポテンシャル28,294万kWの49%を北海道エリアが占めており、次いで東北エリアが26%、九州エリ
アが7.4%となっています。

一番風力発電が向いているのは北海道なんですね。北海道における導入ポテンシャルは陸上13,966万kW、洋上40,314万kWと非常に大きい。

もし、北海道の風力発電が陸上についてはポテンシャル開発率を50%、洋上については同10%と想定した場合、合計約1億1千万kW、約2,300億kWh/年とりなますよね。

これは、現状の日本の産業部門の主要な大口電力需要家(約2,000億kWh)と、データセンターの消費電力を十分にまかなえる量です。

風力発電の導入ポテンシャル:洋上風力

洋上風力とは、海洋上における風力発電のシステムをを作ることです。

洋上で風の良いところを目指して移動した場合、風車稼働率が陸上の場合に比べ2倍以上になります。

陸上に比べ強く安定した風が吹くの魅力ですね。 海洋底に直接設置する着床式、鎖などで固定した浮体上に設置する浮体式があります。

全国の導入ポテンシャル157,262万kWの29%を九州エリアが占めており、次いで北海道エリアが26%、東北エリアが14%で続いています

原子力発電所(100万kW級)1基分をまかなうのにどれくらいの大きさが必要なの?

風力発電で原子力と同等の発電量を得るには、広大な面積が必要です。
原子力発電所(100万kW級)1基分を代替するには、約214平方キロメートル(山手線の内側面積の約3.4倍)の面積が必要となります。

太陽光発電の場合は必要面積が58平方キロメートルですから、風力発電にはかなりの土地が必要であることが分かりますよね。

最後に

土地、電力、導入、撤廃における風力発電のポテンシャルについて迫ってみましたが、いかがだったでしょうか?

今回お話したのは、従来の大型風力発電についてです。大きなものを導入する際は、やはりいろいろと難しい問題に直面するのは風力に限ったことではないかもしれません。

個人、中小企業、村などの自治体では、小型風力発電などを取り入れることができますし、これから風力発電もより整備されていくはずです。

ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。




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