ポリエチレンテレフタレート(PET)とは?特徴・長所・短所・種類など

ポリエチレンテレフタレート(PET)とは

ポリエチレンテレフタレートとは、私たちにとって最も身近なプラスチック素材とも言えるペットボトルに使用されている素材です。分類としてはポリエステル類に含まれ、テレフタル酸(DPA)またはテレフタル酸ジメチル(DMT)とエチレングリコール(EG)を重縮合することによって得ることができます。
PETは結晶性の樹脂に含まれますが、結晶化速度が遅いといったような特徴があります。

熱可塑性樹脂はチョコレート、熱硬化性樹脂はクッキー

熱可塑性樹脂とは、熱をかけていくと溶けるタイプの樹脂のことであり、一方で熱可塑性樹脂の対極にある熱硬化性樹脂は、熱をかけていくと硬くなっていくタイプの樹脂のことを示します。その性質の特徴から熱可塑性樹脂はチョコレート、熱硬化性樹脂はクッキーと比喩されることが多く、ポリエチレンテレフタレートは熱をかけると溶けるチョコレートタイプの性質を持った樹脂となります。そのため、弊社で取り扱うプラスチックのアップサイクルができるマニュアル式インジェクション装置では、熱可塑性樹脂を用いています!

ポリエチレンテレフタレートの用途

ペットボトル、飲料容器(醤油、ドレッシング、料理酒)、衣料、磁気テープ(ビデオテープ等)、包装フィルム・シート、建築素材(パーテーション、ディスプレイ、看板)等ペットボトルに限らず日常生活でよく目にするものに使われています。

ポリエチレンテレフタレートの長所

・耐熱性:融点は250℃の結晶性樹脂である
・耐寒性:-60℃ほどまで耐寒性を持つ。
・透明性:ペットボトルでも使用されている通り、透明性に優れる。
・耐薬品性:無延伸フィルムなどで使用する場合は耐薬品性に優れる。
・耐水性:耐水性に優れ水を通さない。
・電気絶縁性が良い。
・燃やしても有毒ガスを出さない。
・流動性が良いため、成形しやすい
・延伸強度に優れ、衝撃に強い

無毒安全なため食品関連製品にも使用でき、汎用プラスチックの中でも耐熱性が高く、透明な製品が作れるのがPETの特徴と言えるでしょう。

ポリエチレンテレフタレートの短所

・耐酸性:非常に低い。劣化の原因となる。
・強度:衝撃に弱く、脆い。
・透過性:若干の気体透過性がある。長期間保存の場合には内容物の酸化の可能性がある。
・耐熱性/耐薬品性:ペットボトルで使用する場合は共に低い。

ポリエチレンテレフタレートのリサイクル

環境への貢献としてリサイクルを積極的に取り入れているのもPETの特徴の一つと言えるでしょう。
ペットボトルの国内のリサイクル率は80%を超えているほど、他のプラスチック素材と比較してもリサイクル率は非常に高い数値を出しています。また、はなからリサイクルを想定しペットボトルではほとんどが透明の容器として形成されています。そしてリサイクルされたPETは軽量かつ保湿性が高いフリースなどの繊維素材として生まれ変わります。

エンプラとしてのポリエチレンテレフタレート(PET)

用途によって耐熱性や脆さがデメリットとして挙げられてしまうPETですが、ガラス繊維との融合によって強度に優れ耐熱性などが高い「エンジニアリングプラスチック」として自動車や電子機器関連のパーツとして使用されることもあります。
ガラス繊維とはガラスを溶解して繊維状にした素材であり、繊維強化プラスチックの代表的な素材です。このポリエチレンテレフタレート(PET)も、プラスチック単体では達成することができない高強度、高靭性を達成するために、ガラス繊維と混ぜ合わせることで、高度な機械的特性を発揮することが可能となります。

ポリエチレンテレフタレート(PET)の新たな加工法

ポリエチレンテレフタレート(PET)の加工は金型による射出成型やブロー成型、紡糸加工が主流ですが、最近では3Dプリント技術に対応する動きが登場しています。3Dプリンター用のポリエチレンテレフタレートはPETの改良版であるPETGが主流となっています。
PETGフィラメントは強度と物性に優れ、更に優れたプリント安定性を持っています。また価格帯もPLAフィラメントやABSフィラメントに近い価格で購入することができ、コストパフォーマンスに優れた材料と言えるでしょう。

<参考資料>
・ポリエチレンテレフタレート(PET)とは 概要と代表的製品
・ポリエチレンテレフタレート(PET)とは【用途例・特性・物性】
・プラスチック加工素材 PET(ポリエチレンテレフタレート)とは?

湘南貿易の取り組み

弊社ではPETキャップなどのプラスチックをアップサイクルできる機会マニュアル式インジェクション装置を用いて、イベント出店や学校への出張授業等様々な取り組みを行っています。
プラスチックから作れるものは定規やカラビナ、お皿など日用品から便利グッズまで様々で、座学ではなく体験型の教育により小さなお子さんから親御さん世代まで楽しんで”リサイクルの今”を学んでいただいております!

イベント出展や出張授業のご依頼、その他機械に関するお問い合わせはぜひこちらから!




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