地球温暖化と海の意外な関係?「海面上昇」だけでなく、「海の酸性化」も起こる!?
地球温暖化による海の影響と言えば、「海面上昇」が定番ですよね。地球が温かくなると、地球にある氷が解けて、水になり、その分、海面は上昇する。これなんとなくイメージしやすいと思います。
しかし、「海面上昇」だけでなく、「海の酸性化」にも私たちは着目しなければなりません。地球の表面積のほぼ4分の3を占める海は、地球の環境を大きく左右します。海が変われば、地球が変わる。だから、海について知ることはとても大切ですね。
そもそも海は、二酸化炭素を吸収する役割がある
二酸化炭素は温室効果ガスであり、人間の活動によって排出された二酸化炭素が吸収されれば、温暖化の進行も抑えることができます。
そして、海は大気中の二酸化炭素を吸収する役割があります。また、海は大気中に二酸化炭素を排出もしています。海と大気の境界、つまり海面を通してCO2は常に移動しているんです。
海から大気へ、また大気から海へ炭素換算で年間約900億トンのCO2が行き来していると言われています。
結果的に、海から入って来る二酸化炭素と海へ出ていく二酸化炭素の正味の移動量からは、海が二酸化炭素を吸収している状況になっています。排出量よりも吸収量が多いということです。
海の二酸化炭素の吸収量は、化石燃料燃焼により毎年出される二酸化炭素量の約30%になります。すごく大きいですよね。
大気中の二酸化炭素が増加の一途を辿ると、海水に溶け込む二酸化炭素の量も増える
大気の二酸化炭素が多くなれば、海が吸収する二酸化炭素も増えていきます。そうなると、海中にたくさんの二酸化炭素が溢れていきます。
このしわ寄せを受けるのが、海洋生物たちです。海の酸性化かすると、海水のPH値が下がります。PH値が下がると、炭酸カルシウムの生成が難しくなります。炭酸カルシウムの生成が難しくなると、殻をもつサンゴや貝類などの海の生き物たちが生きていくことができなくなります。殻や骨格は、炭酸カルシウムが元になるからです。
PH値が低下している海は世界中で確認されていて、現在の海の抱える世界的な問題となっています。
以前に「海の中の珊瑚(サンゴ)礁の役割って?サンゴ礁を守るべき理由とは?」という記事でも述べましたが、海水の温暖化はプランクトンが異常発生をもたらし、生態系を一気に崩すなどの影響もあるのです。
海が二酸化炭素を吸収できなくなったら…
私たちが排出する二酸化炭素の量が増え続けて、海の二酸化炭素の吸収能力がパンクするようなことがあれば、地球が二酸化炭素を減らす大事なセクションを1つ失うことになります。
そうなれば、地球温暖化が加速度的に悪化していく可能性もあるのです。
海洋生物のストレスをイマジネーションできるようになろう
海の生物は人間の活動から多大なストレスを受けていると言われています。特に、過度な開発を行う漁業に対してストレスを抱え、海洋生物は健康を脅かされています。海の生物のストレスについては、漁業を行う方々が直接関与しているのですが、漁業活動は、私たちの普段の食に対する需要などが反映されているとも言えます。
今後の私たちの人間活動によっては、「昔はいろんな貝類を食べられて幸せな時代だったな…」ということになるかもしれません。
地球温暖化によって、二酸化炭素が海中に多く溶け込み、PH値が下がって、炭酸カルシウムを作れなくなり、殻や骨格を海洋生物が作ることができなくなる。地球温暖化は海面上昇だけでなく、海の酸性化も進めていくということを、ぜひ、覚えておいて下さい。
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