石油ってどうやってできるの?石油のいろいろ
地中から採取された油は原油と呼ばれています
原油は、油井(地中)から採掘されたままの精製していない石油をいいます。
原油は赤褐色や黒褐色の水より軽い液体で、蛍光や臭気を伴い、その主成分は炭化水素です。その他にも、硫黄・窒素・酸素などの有機化合物や金属分、泥水分なども含みます。
また、取引される(輸送される)原油は、通常、採掘後に、ガスや水分、異物などを大まかに除去したものとなっています。
原油から一度にLPガス、ガソリン、灯油、ジェット燃料、軽油、アスファルトが作られるって知っていましたか?
地中から採取した原油は、ガス、ガソリン、灯油、軽油、重油などの成分を含んでいます。
要は、最終的な消費品として、石油を活用するには、製油所で石油製品を精製する必要gがあります。
ただし、原油は各成分の収率が決まっているので、特定の成分だけを取り出すということができません。
つまり、ガスならガスだけ、ガソリンながらガソリンだけ、アスファルトならアスファルトだけを作ることができずに、一度の原油であらゆる製品ができることになります。
つまり、一度で原油を幅広く無駄なく有効に活用することが大事
原油から石油製品を精製する際は、もともと含まれる原油の成分や構成比をを理解し、生産する石油製品の数量や構成を考える必要が出てくるのです。
石油を精製する流れ
では、石油を精製する仕組みはどのようになっているのか、大きく分けると、「蒸留→改質→分解→脱硫」の4工程を経ていくことになります。
1、蒸留
常圧蒸留装置の加熱炉で約350度まで加熱され蒸気になります。
冷やされ加工すると油液と混じり合います。
蒸発と凝縮を繰り返すことで、沸点の違いによって、トレイ分けされた場所へ各成分が分散されます。
常圧蒸留装置の上部から沸点の低い順に、ガス、ガソリン、灯油、軽油、重油の5つに分かれます。
ちなみに、1860年代に石油産業が誕生した頃は、蒸留酒製造用の蒸留釜が応用されていました。
2、改質
改質とはガソリンの分子構造を変化させることです。
そして、改質には「オクタン価」という言葉が関わってきます。
オクタン価というのは、「エンジンの不完全燃焼による異常音の起こりにくさ」を表す指数です。
要は改質とは分子構造を変えることで、オクタン価の値をアップさせ、石油製品の品質と付加価値を向上させる作業です。
3、分解
分解は沸点の高い単価水素を沸点の低い炭化水素に転化させること。
重油などの重質分の炭素分子を切り離すことで、高オクタン価のガソリンなどの軽質分を増産することです。
分解装置には、
・高温下で分解される熱分解
・触媒を利用する接触分解
・水素気流中で触媒利用する水素化分解
の3つが主にあります。現在は、分解後のオクタン価が高く、ガソリンの収率も高い接触分解が最も利用されています。
4、脱硫
日本が輸入に頼っている中東の原油は、他の産出地に比べて、重質で硫黄含有量が多いという短所があります。
そのため、硫黄分を除去・低減する脱硫の工程が必要になるわけです。
1990年かあら2005年にかけて、自動車燃料中の硫黄分規制は強化され、軽油・ガソリンの脱硫は大きな課題となりました。
日本は灯油を室内で直接燃焼させるストーブを使うので、脱硫はすごく大切!
日本は部屋のストーブで直接燃焼させますよね。石油暖房市場は2011年から過去10年縮小傾向でしたが、東日本大震災を機に防災・節電意識が高まり、需要が急速に拡大し、日本では今後もまだまだ利用されますよね。
つまり、日本では脱硫は極めて大切で、灯油の硫黄分は0.008%以下です。
日本には製油する場所はどれくらいあるの?
日本の精油所は、全部で22カ所です
北海道苫小牧と宮城県仙台を除き、関東から伊勢湾までの太平洋岸と瀬戸内海の太平洋ベルト地帯に集中しています。
常圧蒸留装置能力は、全部の製油所で1日で391万6700バレルとなっています。
バレルって何?
1バレルは約160リットル弱です。正確には、158.987294928リットル。
石油用の1バレルは、42ガロンに相当します。ここでのガロンは、米液量ガロンという単位を用います。しかし、ガロンにもいろいろなガロンの定義があります。
昔、アメリカのペンシルバニア油田では、原油を樽に詰めて運搬していたので原油の単位を樽で数えていた、その名残のようです。
最後に
以上、石油のいろいろについてご説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
石油については、石油産業が直面する内外の諸問題について公正・率直な意見をまとめ、問題の解決を促進している石油連盟の「石油Q&A」が大変参考になります。
石油について興味のある方は、ぜひ、チェックしてみて下さい。
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