初めての風力発電。初心者が分かる風力発電に関する10個の疑問

初めての風力発電。初心者が分かる風力発電に関する10個の疑問

一般的な生活をしていれば、風力発電と接する機会は少ないですよね。同じ再生可能エネルギーで、太陽光発電はすっかり一般の方にも馴染みがあるものになっていますよね。

そこで、今回は風力発電(風車)に関する知識をQ&A形式で10個ご紹介していこうと思います。

1、日本にどのくらい風力発電が設置されているの?

 日本には2014年4月末現在約2700kW、台数にして1934基(NEDO:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構調べ)の風車が設置されています。

風力発電の多くが海沿いや山の上などに設置されており、風が強いとされている北海道、東北、九州などに集中しています。

風力発電のデータに関しては、「NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構」のサイトが参考になります。

2、日本にどのくらい風力発電量ってどうなの?

先ほど、日本の発電は約2700kWと説明しましたが、世界的と比較すると、

・ドイツ 39165kW
・スペイン 22987kW

となっており、日本は桁違いに低いことが分かりますね。
世界ランキングでは19位です(2014年)。

3、kW(キロワット)ってどんな単位?

風力発電を語るうえで、出てくるのが「kW(キロワット)」と「kWh(キロワットアワー)」です。

1kW(1000W)の機器を1時間運転したときの消費電力量です。 1kWの発電設備が1時間フル稼働して得られる発電量が1kWhですね。

1500kW風車1基で年間300万kWh程度の発電量が見込まれます。これは一般家庭の800~1000世帯で使用する電力使用量に相当します。

ちなみに1000kWは、メガワットと読みます。

4、どうしたら、大きな電力を得られるの?

風力エネルギーは受風面積に比例します。

つまり、大きな電力を得たければ、風車の羽根が長くして、出力を高くすることが一番です。

現在、地上に設置する大型風力発電は、羽根を含めて高さ100メートルを超えるメガワット級の装置が主流になりつつあります。

風力発電を効率よく行うには、風が良く吹く、海洋上で山上に大きな風力発電を設置することが、風力発電量を増やす秘訣になります。

洋上用の大型風車は出力10メガワットにもなり、その高さは250メートルと高層ビル並みになります。すごく大きいですよね。

5、風車はどれくらいの風速になると発電するの?

一般的には2m/s程度で回り始め、3~25m/sの間で発電します。

6、風車を作るのはいいけど、運転や保守はどうなってるの?

風力発電システムは、遠隔管理による無人自動運転が可能です。

法的には事業用電気工作物と定義され、設置者による自主的な保安の確保が義務づけられており、「電気設備の技術基準」では、最低限、技術員が随時巡回することを義務づけています。

保守点検は技術員が日常巡視点検を行ったり、数か月~半年ごとに定期保守点検を実施するなどして、対応しているようです。

7、風車の強度・安全性に問題はないの?

風車は、自然環境の厳しい場所での運転に耐えられるようにIECなどの国際規格に基づいて設計・製作されています。
また、日本特有の地震や台風にも耐えられるように建築基準法など国内関係法規に基づいて設計した上で許可を取得、建設しておりますので強度や安全性の問題はありません。

しかし、日本でも風力発電所の羽根が落下、宙づり、破損する事故が起こっているのは事実です。火災や衝突など人に影響を与える可能性もあり、設置する際の環境評価から、設置後の安全対策やリスクマネジメントなどが重要になります。

8、風力発電の導入に最低限必要な条件は?

風力発電の導入の最低限の条件として、大きなポイントとしては

・年平均風速4m/s以上の風が吹く立地条件
・風車の搬入経路が確保できること
・送電線が近くにあること

の3つになります。風が吹かなければ非常に効率が悪く、風力発電機はただのオブジェになってしまいます。

また、大型の風車を運ぶためには5m以上の道幅が必要な場合がほとんどです。

さらに、せっかく建てても、風車から送電線までの距離が遠ければ、その分、敷設する必要がありさらに費用がかかってしまい、採算性が悪くなります。

9、風力発電の導入に掛かる費用は?

「NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構」が出している新エネルギーガイドブックによると、風力発電に掛かる費用は…

・1650kW 15基 約60億円 24.0万円/kW
・1500kW 1基 2億3000万円 15.3万円/kW
・1000kW 10基 約30億円 30.0万円/kW
・750kW 2基 約3億0000万円 25.0万円/kW
・750kW 1基 約1億8000万円 24.0万円/kW
・400kW 1基 約1億5000万円 37.5万円/kW

となっています。た、高いですよね。
個人レベルであれば、数万から数十万で購入することもできます。
小型風力発電機と呼ばれて、Amazonにも売っていますので、チェックしみると良いかもしれません。

10、風車の羽の先端が赤く塗られているの?

羽(ブレード)の先端などが赤く塗られた風車は、「航空法」「航空法施行規則」によるものです。

昼間、航行する航空機に対して障害となる高層物件の存在を認識させ、衝突を回避させるために義務付けられています。

赤白の塗り分けは「昼間障害標識」と呼ばれます。
地表または水面上から60m以上の高さのある物件に設置の義務があります。

最後に

以上、初心者が分かる風力発電に関する10個のトピックをQ&A式で説明してきました。

再生可能エネルギーである風力発電の分野はまだまだ発展途上にあるので、これからどんどん革新が起きていくかと思います。

ぜひ、今回の記事をステップに、風力発電について掘り下げてみて下さい。




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