CSR活動って何?エコの活動?CSR活動の基本とヨーロッパのCSRについて
CSR活動のCSRって?
CSR活動=環境、エコのように捉えている方もいるかもしれませんが、CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略称です。
C…コーポレート
S…ソーシャル
R…レスポンシビリティ
要は、企業が社会に対して持つ責任のことで、CSR活動とは、企業が社会に対して責任を果たす活動と言えます。
企業は日々、多くの人へ影響を与えている
企業は、事業活動を続けていく中で、従業員、顧客、取引先、仕入先、消費者、株主、地域社会、自治体、行政、などあらゆる利害関係者と関わっています。
利害関係者のことを、ステークホルダーと呼びますが、日本にも「百害あって一利なし」や「漁夫の利」といったことわざがありますよね。
スマートフォンでの情報受信と自己発信を想像すれば分かりやすいと思いますが、現在、私たちが生きる世界というのは、一つの要素が多くの繋がりを持ち、相互作用しやすい環境となっています。
そこで、一般消費者が暴く逆CSRのような活動もありますよね。要は、企業外からその企業の責任を果たそうとする活動です。粉飾決算、リコール隠し、偽装表示など、企業による不正行為や違法行為は、本来は絶対にあってはいけない行為です。
そもそも企業は、法人と言われ、法の下に人格を持った人間なのです。
CSR活動は、法人として、真っ当な道に進む行動指針を与えてくれますし、反れそうなタイミングで、然るべき道に戻してくれる企業活動と言えます。
日本のCSR活動ってどう?
日本のCSR活動と言えば、企業のコーポレートサイトを見たときに、ちらっと見かけたりするぐらいじゃありませんか?また、CSR活動をコンテンツにしているテレビCMも見たことありませんか?
CSR活動に力を入れている国といえば、EU(ヨーロッパ諸国)です。
EUがCSRを最初に定義したのは2001年。CSRを「企業が社会および環境についての問題意識を、自主的に自社の経営およびステークホルダーとの関係構築に組み入れること」と定義しました。
実際、ヨーロッパにおいては、消費者に対するイメージ向上を狙い、顧客誘引力を上げようという考えによって行われる活動はCSRとして評価されていないようです。
CSRは企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をする責任を指す
若年層の失業問題に対する企業責任から生まれたヨーロッパのCSR
欧州におけるCSRは、若年層の失業問題に対して企業が社会的責任としてどのように対応するのかという問いかけが発展する形で生まれました。
欧州内での失業率が上がるとどうなるのか?
それは欧州内での企業の信頼が無くなっていきます。
企業の信頼が無くなれば、<消費者と企業>といった企業活動をするうえで大切な関係がどんどん弱くなっていきます。そのまま企業のパワーがなくなりますよね。
欧州の市場経済を活性化させるには企業の信頼回復は欠かせない。
CSRは企業の信頼確立に大きく貢献すると考えられるようになりました。
ヨーロッパのCSRは「業務・仕事のやり方を社会的期待に応えるように変える」
ブラック企業、過労死などという言葉が存在する日本とはまったく違うようにも感じますね。
ヨーロッパのCSRを本質とするならば、日本のCSRは言葉だけを取り入れた感があるかもしれません。
また、ヨーロッパではNGOなどのような市民社会の影響力が強いことも、CSR活動がきちんと行われている要因の一つと言えます。市民社会からの監視に対応し、圧力を回避しするためには、CSRに積極的に取り組み、情報を開示することが大切になります。
一方、日本は利潤を追求する業務だけで、日々忙しく、なかなかCSRに注力することがしづらい労働環境になっています。その労働環境を変えること自体が、企業責任なのかもしれませんね。
さらに、日本の場合はNGOの影響力が小さく、CSR活動の原動力となるものがあまりないとも言えるでしょう。
日本でのCSRは必然的に企業の余力を示す機会に
日本でCSR活動を積極的に行うことは、企業として体力があることをアピールすることに繋がるでしょう。
イメージ戦略のためのCSR活動ではなく、社会を良くするために関わるCSR活動が、多くの人の心を打つというのが、社会の中での企業の果たすべき機能ですよね。
CSR活動は企業経営や事業計画そのものを見直す機会にもなります。
新たな視点を別角度から注いでくれるため、うまくCSR活動と向き合えば、企業が総合的に成長することができます。
もはや企業は利益を生み出し、株主に貢献するだけの存在ではない。
でも、それが難しかったりしますよね。
日本の企業がだんだんと環境・社会・経済のトリプルボトムラインといわれるバランスのよい3 本柱で活動できるようになれば、日本のあらゆる環境が目に目る形で変わってくるかもしれません。
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