デジタルの視点から考えるCSR活動
以前にECORACYでは「CSR活動担当者必見!最適なエコCSR活動がぱっと思いつく10個のアイデア」や「CSR活動はどんなことをしてるの?広報担当者が知っておきたい企業CSR活動事例」など、CSR活動についてお伝えしてきましたが、今回のテーマは「デジタルの視点から考えるCSR活動」。
特に慣習が根強く残る企業では、CSR活動だけでなく、多くの企業活動においても、デジタルに疎く、デジタルセンスを磨くことは非常に大切です。
それでは、デジタルの視点から考えるCSR活動について掘り下げていきたいと思います。
常に世界と繋がっている意識を持とう
デジタル社会のCSRは、「個人がデジタルメディアを持つことによって1つの情報の伝播が肥大化していく」可能性を孕んでいます。
CSR活動で大事なことは…
・どこにいる
・どんなステークホルダーに
・どんな情報を
・どんなメディアを使って
・どのようなレスポンスを得るのか
を明確にすることでしたが、より一層、これらを意識しなければ、
・狙った地域の人を侵害してしまい炎上
・影響力のあるステークホルダーが誤解して拡散
・一部の情報が切り取られて悪影響
・メディアに即さない情報の出し方で苦情
・結果的にネガティブキャンペーン
といったことになってしまいます。デジタルデバイス、ソーシャルメディアなどを人と人の人間的なコミュニケーションのように大切に扱い、常に世界と繋がっている意識を持つことが、まずは、良いCSR活動をする大事なセンスとなっていきます。
PR、IR、CSRを統合的に考えて、明確に打ち出そう!
PRはCSR以上の気配りが必要?
PRは企業の「広報」ですよね。企業側が伝えたい情報をいわば勝手に伝えるわけです。メルマガで情報を伝える際に、その相手が良好な関係である顧客やファンであれば、こちらから勝手に伝えるわけで、その打ち出し方はCSR以上に気を配らなければなりません。
これからは単にPRを発するだけでなく、伝える相手がそのPRによってメリットを得ながら成長するような仕組みを作っていくこと、PRを取り巻く評価を高めることになります。
IR活動とは株主や投資家へ経済的な信頼を勝ち得る場
IRとは、企業が株主や投資家に対し、財務状況など投資の判断に必要な情報を提供していく活動です。ここは株主や投資家へ経済的な信頼を勝ち得る場所であり、情報の質、鮮度、分かりやすさ、説得性などが重要なるでしょう。
付加的な情報は真であるCSRは、PRとIRを補う場所
PRとIRを通しても、ステークホルダーに対しての説明責任を果たすことは可能です。言ってみれば、PRもIRも自然とCSRの一部を担っているのです。ということは、いざCSRと銘打って活動する場合は、PRとIRではなし得ていない説明責任を果たすことが重要になります。
デジタルメディアの特徴を捉えて、ステークホルダーに対して的確なメディアを選択しよう
デジタルメディアと言っても、メディアの種類はかなり豊富です。ざっと列挙しても、以下のメディアがあります。
・コーポレートサイト
・キャンペーンサイト
・デジタルアーカイブ
・スマホアプリ
・ニュースサイト掲載
・ブログ
・メルマガ
・facebook
・Instagram
・twitter
・LINE@
・YouTube
・Ustream
・ニコニコ動画
いくら良いメディアを選択しても、ターゲットが滞在していないメディアを使っても意味がありません。メディアによっては双方向性が強いものもありますし、一般の方が介入してくるものあります。
また、外部埋め込みができるメディアもあります。ステークホルダーが何度も訪問する自社サイトに埋め込むことで、より質の高い情報と反響を得ることが可能にもなります。
デジタル時代に良いCSR活動をするには、幅広いデジタルメディアについて熟知している必要がありますし、移り変わりゆくデジタルメディアの時代の流れを察知し続ける必要があります。
数値化を徹底し、マネジメントできる体制を作る
「単純に予算が余っており、プロジェクトを立ち上げ、終了したらお疲れ様」という形でまったく問題ないのであれば、CSR活動はそれでも良いかもしれませんが、企業としては、多くの思惑があるCSR活動。
きちんと数値化を徹底し、マネジメントしながら、常に進化していくような仕組みを作っておくことが大事になります。
数値化の1つにインパクトロジックモデルの活用があります。インパクトロジックモデルは、活動のプロセスを
・インプット(制作予算、人員配置)
・アウトプット(報告書制作)
・アウトカム(情報伝達)
・インパクト(変化、影響)
のように細分化し、効果を測定するフレームワークです。各工程を徹底的に数値化することによって成果をマネジメントすることができるようになります。
デジタルを使ったCSR活動の利点は、データや解析が取得しやすい点にありますから、これを使わない手はありません。
上手くデータを取得し、改善のノウハウを手にすることができれば、子会社のCSR活動にも役に立つだけでなく、その業界のCSR活動をリードし、コンサルティングやアドバイザー的な部門を立ち上げることもできます。
最後に
以上、デジタルの視点から考えるCSR活動について掘り下げていきました。シンプルに若い世代(デジタルネイティブ)の意見を取り入れらる環境こそ、良いCSR活動を作ることに繋がるかもしれません。
しかしながら、デジタルに走り過ぎると、デジタルのリテラシーが高くない重要なステークホルダーを置き去りにすることに繋がります。
ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。
LEAVE A REPLY