AS樹脂(SAN)とは?特徴・長所・短所・種類など
そもそもAS樹脂(SAN)とは?
AS樹脂は「エーエス樹脂」と呼びます。他にも「アクリロニトリルスチレン樹脂」、「SANプラスチック」といった呼ばれ方をします。アクリロ二トリル(Acrylonitrile)とスチレン(Styrene)から構成されるため、両方の頭文字を取って、AS樹脂と呼ばれています。
CDのケースや、使い捨てのコップなどに用いられる透明なポリスチレン(PS)の耐薬品性や耐熱性を改良するために改良されて出来た素材と言われています。ECORACYでは、以前に「ポリスチレン(PS)とは?特徴・長所・短所・種類など」という記事を公開しています。
AS樹脂はガラス繊維と組み合わされてエンジニアリングプラスチックとして利用されることもあります。エンジニアリングプラスチックは、通称エンプラと呼ばれ、耐熱性、機械的強度、耐摩耗性に優れ、機械部分、自動車用部品、電子・電気機器部品など、高性能と耐久性、安全性が求められる基幹部品などで、金属材料の代わりを担う素材を指します。
エンプラは、耐熱性が100℃以上あり、強度が50MPa以上、曲げ弾性率が2.4GPa以上あるプラスチックで、。耐熱性が150℃以上の高温でも長時間使用できるプラスチックはスーパーエンプラと呼ばれます。略せずに呼ぶと、「スーパーエンジニアリングプラスチック」と凄く長いネーミングになりますね。
AS樹脂(SAN)の長所
・透明性が高い
・耐薬品性が優れている
・耐熱温度が高い
・表面が傷つきにくい
・引っ掻きに強い
・引っ張りに強い
・衝撃に強い
・加工や成形がしやすい
・リサイクル性が高い
AS樹脂は、家電製品協会で、リサイクルに向いた準推奨プラスチックになっています。また、表面の傷に強く、引っ掻きなどによる見た目の劣化にも強いため、多くの日用品などに用いられます。
加工に優れていて、リサイクルにも向いているのは、とても使い勝手が良さそうですよね。
AS樹脂(SAN)の短所
・アルコールに長時間触れると不透明になる
・長時間の直射日光を浴びると劣化する
・柑橘類の皮に含まれる精油分に溶解する
・可燃性がある
AS樹脂の短所を見る限りは、使い方を間違わなければ、長所の方が多く、かなり使い勝手が良いことが分かると思います。
AS樹脂(SAN)の用途
AS樹脂は、以下のような製品の素材として使われています。
ライターはね、ピアノの鍵盤、バッテリーケース、メーターカバー、冷蔵庫内部成形品、ジューサー、ミキサー、ポット、しょうゆ入れ、、漬物容器、積算電力カバー、テレビのフロントスクリーン、スケルトンタイプの機器のハウジング、ボールペンの軸、食卓用品、文具、玩具
やはり、成形しやすく表面の傷に強いことから、「美観を要求される」ケースで重宝される素材と言えます。
最後に
プラスチック素材は、かなりの種類がありますが、AS樹脂(SAN)は、ポリスチレン(PS)を改良されて作られたという背景からも分かるように、より多彩な素材があることで、多様な製造や生活が成り立っているということが伺えますよね。
素材を作ることは、生活の基盤を作ることであり、これからの時代を担うことでもあります。ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。
<参考資料>
・「ASエーエス樹脂|KDAのプラスチック加工技術」
・「AS樹脂(アクリロニトリルスチレン)の物性と用途、特性|「碇石」と「研削・研磨」の総合情報サイト」
・「AS樹脂|プラスチック素材辞典」
・「AS樹脂|椙山女学園大学生活科学部」
・「エンプラとは|エンプラ技術連合会」
・「アクリルニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)の意味とは|試験に出る色彩用語」
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