実は大変?シュレッダー古紙のリサイクルについて

実は大変?シュレッダー古紙のリサイクルについて

そもそも、なんで紙をシュレッダーに掛けないといけないの?

シュレッダーとは、紙を入れると、紙吹雪みたいに紙を屑にしてくれる機械のことです。

全国のオフィス古紙の発生量は、1,000万トン程度と言われています。紙を使ったら、そのまま古紙回収すれば良いのに、なぜ、シュレッダーに掛けないといけないのか、ご存知でしょうか?

それは、2003年に成立した個人情報保護法に由来します。個人情報保護法では、企業や団体はプライバシーに関わる情報、特に氏名や生年月日、住所や電話番号などを含んだ情報を慎重に扱うことが求められるようになりました。

個人情報保護法のせいというよりかは、ネットや携帯電話の普及による情報化社会のせいで、個人情報が流動的に流布する可能性を帯びてきたからです。廃棄性と機密性が求められた社会に誕生したのがシュレッダーです。

シュレッダーゴミの中に、余計なものが入っていたらアウト

シュレッダー古紙の資源化には、紙以外のものを裁断しないことが最も重要になります。

製紙メーカーはシュレッダー古紙を原料として使用する際、禁忌品の混入を防ぐ必要があります。シュレッダーの中に機密情報の入った文章が入っていると、リサイクルできない可能性が出てきます。

リサイクルの際に禁忌品の混入などの手間が掛かるため、かなりの割合のシュレッダー古紙が焼却処理されている現状があります。

シュレッダーした古紙は繊維が壊れ、リサイクルしづらい

シュレッダーした紙屑はシュレッダーダストと呼ばれています。シュレッダーダストは、繊維が切断され、紙の繊維が壊れるため、再利用化が難しく、大量に廃棄、焼却されてしまいます。

ということは、何でもシュレッダーすれば良いというものでもない

機密性がないものまで裁断されてシュレッダーに掛けて裁断すると、繊維が大きく壊れていて、リサイクルできないシュレッダーダストになり、そのまま古紙へリサイクルする紙が減る可能性が大きくなります。

シュレッダーすべき紙だけをシュレッダーすることが大切です。

リサイクルへ適した「ひきちぎり方式」シュレッダーがある

「資源化対応型」のシュレッダー装置も開発が進み、リサイクルに適したシュレッダーダストが登場しています。

紙繊維の切断を防止するために裁断方法を「ひきちぎり方式」というものがあります。これは、紙をひっかくような方法で処理し、裁断後に撹拌、そして紙に含まれる水分と摩擦熱を利用して圧縮することで、文書の復元・判読を困難にし、セキュリティを確保するというシュレッダーです。

シュレッダーされた紙が箱のような塊になっているので、従来の紙屑が紙吹雪のようにあちらこちらに飛ぶようなことが防止できます。

シュレッダーの裁断には種類がある

先ほど、古紙リサイクルを円滑に進める「ひきちぎり方式」をご紹介しましたが、シュレッダーは、基本的に、以下のような裁断の種類があります。

・ヌードルカット…うどん状に細断。細断スピードが速いのがメリット。
・クロスカット …細かな長方形の紙片にカット。ヌードルカットに比べ機密性が高い。
・ダブルカット …ヌードル(縦切り)し、次にそれをダブルカット(横切り)し、ねじれのない平面状の細断チップにする。細断紙片が効率よく積層され、袋の交換が削減できる。
・ひきちぎり破砕  …特殊な刃物を突き刺してちぎる方法

裁断した紙が細かくなればなるほど、飛散が悲惨になります。

例えば、業者がシュレッダーの入った袋を開き、別の場所へ移そうとした際に、風に吹かれて、あちらこちらにシュレッダーダストが散らばってしまえば、リサイクル率が下がってしまいますよね。

古紙業者や製紙工場で梱包を解くときに紙片が飛散して、散乱ゴミになるだけでなく、排出者がオフィスでシュレッダーダストを扱う時も飛散して、すべての紙をリサイクルに出せていないかもしれません。

「資源化対応型」のシュレッダーを企業が導入していくことが、よりシュレッダーダストをきちんとリサイクルするための一つの方法だと言えます。

シュレッダーを使わずに、機密文書を回収する業者が存在する

よりよい古紙回収を行おうと、最近では、機密文章を回収し、リサイクルに回す業者が存在しています。

・機密文書が入った箱を回収する
・機密文書が入った箱を回収ごと溶解処理する

もしくは、古紙問屋がシュレッダー装置をトラックに載せ、出張細断するというケースもあります。リサイクル効率の優れたシュレッダーを持っていれば、業者に回収委託するのも良いリサイクルの流れになりますよね。

古紙問屋自らがうまく処理し、製紙メーカーに対し安心して使ってもらえるようにする流れができつつあるのです。

シュレッダーダストもきちんと扱えば、お金になる

企業の廃棄物と言えば、お金を払って経費を使って廃棄するイメージがありますよね。まさにく、「ゴミ」です。しかし、ホームレスの方が空き缶を集めてお金を稼いでいるように、シュレッダーも、きちんと排出すれば、収入源の一つになります。そして、オフィス用紙を多用する企業にとっては、「塵も積もれば山となる」ということになります。CSR活動としても良いですよね。経費を出してゴミを出すという概念を変えていくと、古紙の回収も良い方向へ向かっていきます。

最後に:よりよいシュレッダーリサイクルシステムを

古紙問屋などの出張溶解サービスの弱点は、維持コストが高く、箱の盗難などによる情報漏えいのリスクがあることです。

なので、やはりシュレッダーを使ったリサイクルは、情報セキュリティの強化と環境配慮の観点からもバランスが取れています。

そう考えると、資源化対応のシュレッダーで、なおかつ、低コストの排出運営、もしくは、利益化の運用が求められます。

オフィスで発生するコピー用紙などの裁断くずを回収して圧縮し、再びオフィスで利用するような循環型のシステムが作れれば、紙のエコがより良くなっていきますよね。

ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。




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