電磁波って何物?電磁波が及ぼす環境問題とは?
電磁波は環境に、そして、人間にどのような影響が出るのか、多くの議論や研究がなされています。
特に電磁波への人体に関する影響についてはかなり幅の広い言及がなされているため、いろんな情報を閲覧しながら、正確な情報を深めていく必要があります。
まだまだ、これから詳細を掘り下げていく分野ではありますが、今回は、電磁波に関する言及について、多角的な情報や事例を掘り下げていきたいと思います。
米国カリフォルニア州公衆衛生局(CDPH)の言及
米国カリフォルニア州公衆衛生局(CDPH)は、携帯電話が人体におよぼす危険を「科学的な検証は進行中であるものの」としながらも、可能な限りその使用を控えることが賢明であるとの見解を発表しています。
CDPHは具体的な電磁波への対策として、就寝中は遠ざけて置いておく、通話中以外はヘッドセットを外しておく、アンテナの立っていない場所で使わない、音楽ストリーミング、動画再生、大容量ファイルのダウンロード時に、携帯電話を使用しない、といった内容が提案されています。
シドニー大学公衆衛生学研究サイモン・チャップマン名誉教授チームの言及
シドニー大学で公衆衛生学を研究するサイモン・チャップマン名誉教授のチームは、携帯電話の電磁波と脳腫瘍の発生率に相関関係はないことを「疫学的」に明らかにしています。疫学は、伝染病の流行動態を研究する医学の分野です。集団中に頻発する疾病の発生を、生活環境との関係から考察する学問と定義されます。
オーストラリアでは法律によって、癌の診断がすべて公式に記録され、このデータに基づいた考察が行われました。1982年から2012年の間に脳腫瘍の発生率はほとんど変化していない点において、電磁波の影響はないと結論付けています。
米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)の言及
米CNNによれば、米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)は、携帯電話が発するものに相当する電磁波をラットに照射した実験で、腫瘍の発生率が上昇したとのことです。
米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)は、年間にわたって高い頻度で、GSMやCDMAに相当する900〜1900MHzの電磁波を2500匹のラットに照射しました。
すると、電磁波を浴びていないラット群は、まったく脳腫瘍が発生しなかったのに対し、電磁波を照射された群のオスのラットには2〜3パーセントの割合で脳腫瘍が発生したのです。
このことから、電磁波は脳の腫瘍の発生率を高める可能性があると考えたのです。
アメリカ公共健康医学専門家の言及
アメリカの公共健康医学の専門家から、「iPhone7のワイヤレスイヤホンには電磁波の問題があり、人体の血液脳関門を破壊することがある」との指摘をしています。
カナダの大学健康ネットワーク医学センターのノーマンド・ラペリエール教授の言及
カナダの大学健康ネットワーク医学センターのノーマンド・ラペリエール教授は、スマートフォン等の電子機器に対して、「少量の電磁波でも、人体への影響は大きい。長時間(ワイヤレスの)ブルートゥースのイヤホンで音楽を聴いたり電話したりしない方がいい」と注意を促しています。
一定の時間を超えて耳の中に電波を送り続けると、血液脳関門を傷つけると言います。血液脳関門は化学的な毒素が人体に侵入するのを阻止する重要な機関であり、この血液脳関門の機能が電磁波によって鈍化すると言及しています。
カリフォルニア大学バークリー校公共健康医学キャンパスのジョエル・モスコビッツ教授
カリフォルニア大学バークリー校公共健康医学キャンパスのジョエル・モスコビッツ教授は、「マイクロ波を伝送する設備を大脳に接近させるのは非常に危険な行為だ。大脳のそばにマイクロ波伝送装置を設置するのと変わりない」と警告しています。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)研究チームの言及
アメリカ国立衛生研究所(NIH)研究チームが携帯電話から発せられる電磁波を1週間にわたって1日9時間放射し続けたところ、携帯電話から発せられる電磁波がガン発症のリスクを高めることが分かりました。
マウスを使った事件により、心臓や記憶や情報伝達をつかさどる神経細胞「ニューロン」を支えるグリア細胞に悪性の腫瘍ができやすいことがマウス実験から分かりました。
アメリカ国立衛生研究所(NIHは1887年に設立された合衆国で最も古い医学研究の重要な拠点であり、政府としても信頼を置いている機関になります。
世界保健機関(WHO)の言及
世界保健機関(WHO)は、 携帯電話における30分の使用は発ガン性のリスクを40パーセント増すと警告しています(2011年)。、携帯電話の使用頻度を減らしたり、ハンズフリー機器の使用を推奨しています。
イギリスのエクセター大学の研究の言及
イギリスにあるエクセター大学の研究では、携帯電話からの電磁波によって精子の9パーセントが減少したと言います。研究では携帯電話を恒常的にズボンのポケットに入れている場合、最大で30パーセントの精子が減少するという実験結果もあり、携帯電話は鞄に入れたほうが良いと警鐘を鳴らしています。
中東イエメンでの論文による言及
1996年に中東のイエメンで発表された論文では、電力施設に務める男親の家庭で男児8人に対して、女児出産が54人とじつに6.8倍にもなったという結果が出ました。
またラトビアでも、ラジオ送信用電波塔付近の家庭で男児254人に対して、女児が355人も生まれたという報告もあります。論文では、原因を電磁波被ばくによる性染色体の異常だとしています。
リニア・スキン・クリニック経営サイモン・ゾアケイ医師の言及
ロンドン市内で「リニア・スキン・クリニック」を経営するサイモン・ゾアケイ医師は、フェイシャル・エステ会議・展示会(FACE)において、「(スマホ端末の)画面から発せられるブルーライトが皮膚にダメージを与える」と指摘しています。
また、「肌を守るための商品は市場に出ていない。(紫外線とは)波長が違うので、日焼け止めでは防げない」と警告しています。
オバジ・スキンヘルス研究所ゼイン・オハジ氏の言及
米国のビバリーヒルズで「オバジ・スキンヘルス研究所」を開設した著名な皮膚科医だというゼイン・オバジ氏は、「携帯電話はお肌にダメージを与える」と警鐘を鳴らしています。
皮膚の老化は、携帯電話から発せられる電磁波によるDNAの損傷が原因だと考えており、DNAが損傷することで、細胞に酸化ストレスがかかり、皮膚の自己再生が阻害されるといった考えを持っています。
米国国家毒性プログラム(NTP)の言及
米国国家毒性プログラム(NTP)は、携帯電話が発する電磁波の影響により、心臓および脳に腫瘍が発生する可能性があることを示唆する報告書を公開した。
イギリスWi-Fiアレルギー自殺での言及
2015年6月、イギリスに住む15歳のジェニー・フライジェニーは電磁波過敏症で苦しみ、遺書に「これ以上Wi-Fiの電波には耐えられない」と書き、自殺するに至りました。
ジェニー・フライジェニーはWi-Fiや携帯電話、携帯の基地局などから放射される電磁波を感じ取ってしまい、頭痛や疲労、集中力の低下に悩まされた挙句、肉体も精神も衰弱してしまったようです。
電磁波過敏症は「目の痛みや見にさ。皮膚の乾燥や炎症。鼻づまり、鼻水。顔のほてり。口内炎。歯や顎の痛み。頭痛やうつ。異常な疲れと集中力の欠如。吐き気。肩こり、関節痛。呼吸困難。手足のしびれ」などの症状が見受けられ、現在の医学的見地では、健康を害する電磁波が飛び交っているという恐怖心が、電磁波過敏症の原因なのではないかという心因性説が有力とされています。
韓国国立電波研究院(RRA)の言及
韓国国立電波研究院(RRA)が行った実験では、AppleのiPhoneやiPadの電磁波吸収の比率を示すSARという単位が、Samsung製スマートフォンの2倍近く高いことを明らかにしました。韓国の国会で、崔明吉(Choi Myung-Gil)議員が報告しています。
SARとは生体が電磁界にさらされることによって、単位質量あたりの組織に単位時間に吸収されるエネルギー量の比率になります。
総務省の言及
2015年総務省は当時使用されたいた25種類のペースメーカーについて調査したところ、携帯から発せられる電磁波の影響は無視できるレベルであるとの見解を明らかにしている。
総務省は国際基準をベースに、電波が人体に与える影響の基準となる「電波防護指針」を作成しています。
「電波防護指針」は、先ほどのSAR(電磁波比吸収率)の最大許容値を定めたものになります。最も厳しい要件が、携帯電話やスマートフォンなどでの通話の際に、側頭部付近の機器から人体へ吸収される電波量としています。
携帯電話会社は、各端末のSAR値を公表しているので、参考にしてみると良いでしょう。また、無線LAN機器は、携帯電話と比較して送信電力が大幅に低く、人体に与える影響が小さいとしています。
最後に
電磁波に関する研究結果は様々なものがありましたね。私たちが自分たちでリテラシーを高め、今後も電磁波と人体に関する情報にアンテナを張っていく必要があります。
大事なのは何よりもバランス。過剰にスマホなどの電子機器と接しているのであれば、定期的に電磁波から遠ざかる環境を作って、リフレッシュしていきましょう。
<参考資料>
・「携帯電話の電磁波、やっぱり人体に有害? カリフォルニア州がガイドライン策定で警告|GIZMODO」
・「携帯電話の電磁波は人体に悪影響がある?ない?|ITmedia NEWS」
・「無線LANの電波は人体に影響ない?|IT Pro」
・「iPhoneの電磁波の人体への影響、Samsung製スマホの2倍以上|iPhone Mania」
・「iPhone7新型イヤホンに電磁波問題、米専門家「利用控えて」|ライブドアニュース」
・「やはり携帯電話はガン発症リスクを高めると判明! 米政府が発表した電磁波の“真の影響”とは?|TOCANA」
・「やはり電磁波で人は死ぬ!? 15歳少女が「Wi-Fiアレルギー」で死亡するまで|TPCANA」
・「精子減る? 女児の出産率が高まる? 本当はヤバイ電磁波の影響を探る|ダ・ヴィンチ ニュース」
・「「自撮り」はとっても危険だった!? 電磁波でお肌が老化?? 死亡事故はサメに襲われた人より多い???|産経ニュース」
・「北欧ではれっきとした病気…ホントは怖い「電磁波過敏症」|楽天Woman」
・「携帯電話の電磁波による腫瘍発生の可能性が報告|PC Watch」
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