ポリウレタン(PU)とは?特徴・長所・短所・種類など

ポリウレタン(PU)とは?特徴・長所・短所・種類など

ポリウレタン(PU)とは?

ポリウレタン(PU)は別名ウレタンゴムとも呼ばれるプラスチック素材です。スパンデックスとも呼ばれます。

難しく言えば、ポリウレタンは、ポリオール成分の水酸基(−OH)とポリイソシアネート成分のイソシアネート基(−NCO)が反応することによって得られる高分子です。ポリイソシアネートは、活性が強く刺激臭があり、特に水とは反応しやすいな化合物です。イソシアネートは、非常に反応性に富むため、湿気を避けて冷蔵保存され、イソシアン酸塩とも呼ばれます。

その他グリコールも原料とされています。グリコールは、アルコールの一種で、通常は無色で甘く,粘り気のある液体です。

ポリウレタン(PU)の長所

ポリウレタンは、ストレッチ性があり、様々な加工が可能です。保護カバーなどの衝撃を防ぐような場面で力を発揮します。

・柔軟性と男性が優れている
・防振効果が高い
・防音効果も高い
・衝撃に強い
・引っ張られることに強い
・油に強い
・耐薬品性に優れている
・低温特性に優れたている
・いろんな硬度の種類を作ることができる

こうした多岐に渡る使い勝手の良さから、輸送関係、土木建築、生活用品、産業機器、医療、IT分野、スポーツ業界、ファッション関係などで、ポリウレタンは、大活躍しています。

ポリウレタン(PU)の短所

使い勝手の良いポリウレタンですが、もちろん弱点もあります。

・耐熱性に弱い
・高温多湿で劣化が早くなる。
・水に弱い
・空気中の影響を受けやすい
・紫外線の影響を受けやすい
・熱の影響を受けやすい
・微生物などの影響で徐々に分解されてしまう

上記の弱点は、要は、自然にだんだん劣化しやすいということが言えます。

ポリウレタン(PU)の用途とは?

ポリウレタンは、業界を問わず、多くの用途があります。

・合成皮革で出来たコート
・伸縮性の優れたストレッチ製品やスポーツウェア
・スポーツシューズの靴底
・軽くデザイン性の自由が利くサーフボード

その他にも、低温用断熱材、水着やブラジャー、、ランジェリー、ストッキング、インキ、塗料、接着剤、コーティング剤などがあります。

車の部品では、インパネ、コンソール・ボックス、バンパ、エアロパーツ、ゴム部品などに使われています。

スポーツでも、テニスコート、ゴルフボ−ル、スキー、ラケットに使われるなど、もはや私たちの生活になくてはならないものになっています。

ポリウレタン(PU)は熱可塑性と熱硬化性の2タイプがある

プラスチックには、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の2つのタイプがあります。

熱によって溶けるのか、硬化するのかという分類で見ると、熱可塑性と、熱硬化性の二種類ともにあり、双方に分類する

熱可塑性樹脂とは、熱をかけていくと溶けるタイプの樹脂のことです。一方、熱可塑性樹脂の対極にある熱硬化性樹脂は、熱をかけていくと硬くなっていくタイプの樹脂です。

熱可塑性樹脂はチョコレート、熱硬化性樹脂はクッキーのようなものと言われています。

ポリエチレン(PE)やポリスチレン(PS)は熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂(UP)は熱硬化性樹脂です。

そして、ポリウレタン(PU)は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の2つのタイプがあり、多様な素材を作り出し、多様な用途に対応することができます。

ポリウレタン(PU)のフォーム

ポリウレタンの種類には、発泡体となっているフォームと呼ばれるものがあります。

フォームとは、ポリオールとポリイソシアネートとを主成分として、発泡剤、整泡剤、触媒、着色剤などを混合し樹脂化させながら発泡させたものです。

フォームはクッションなどに使われるタイプのもので、軟質フォームと硬質フォームがあります。軟質フォームは軽くてクッション性や耐久性にとみ、硬質フォームは断熱性を持ちます。

硬質フォームを使った断熱材は、冷房時あるいは冬の暖房時の断熱効果が高めてくれます。 断熱材にポリウレタンを使うことで、より省エネルギー化が進み、二酸化炭素の排出量が削減され、地球温暖化防止に貢献することが可能になります。

発泡体の場合であればクッション、自動車シート、断熱材、スポンジ全般、シーリング材、充填材として使われます。

服の寿命に見るポリウレタン(PU)

ポリウレタンの短所でも触れましたが、ポリウレタンは、基本的な自然空間の影響を受けやすいのが弱点になります。

なので、ポリウレタンの服は、クリーニング処理により元々劣化が進んでいた状態が表面化することがあります。ポリウレタン系の繊維はいずれも劣化や寿命がネックとなり、洗濯などでも塩素に弱いです。

衣服に使われるポリウレタンの寿命は、おおむね製造されてから2~3年といわれています。しかも、購入や使用した日からではなく、製造されてた日から2~3年になります。

空気中の水分、排気ガス等、塩素による影響、日光、紫外線、熱、体脂、皮脂、汗、ボディオイルなど、あらゆる影響を受けるからです。

湿熱状態で放置すると、色落ちや他繊維に対する移染があり、.塩素に触れると黄変や繊維の脆化を引き起こします。

服に関しては、伸縮性があり、生地に特徴あるコーティングを施したり、異なる繊維素材を張り合わせたり、合成皮革や人工皮革を作りやすかったり、といったメリットがあります。

全ての業界で大きな働きをしている素材で、幅広いカスタマイズと高い効果が得られるのは間違いありません。

<参考資料>
・『もっと知りたいポリウレタン|ウレタン原料工業会 | ウレタン原料工業会』
・『ポリウレタンとは – オートモーティブ・ジョブズ』
・『ポリウレタン樹脂|荒川化学工業株式会社』
・『ポリウレタンについて|繊維の知識|学びたい・知りたい|一般財団法人ボーケン品質評価機構』
・『ポリウレタン素材の弱点を知る | 衣服の寿命について | 東京都クリーニング生活衛生同業組合』
・『ポリウレタン繊維の特徴|スパンデックスの劣化、寿命、耐熱温度、耐久性について』
・『ポリウレタン(PU)の特性と用途 進化する高分子素材 | ものづくり情報サイト「i‐maker news(アイメーカーニュース)」』
・『ポリウレタン(PU)樹脂の物性と用途、特性|プラスチック・樹脂の物性』
・『軟質ウレタンフォームとは|日本ウレタン工業協会』

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