金属はなんで錆びるの?金属が錆びる仕組み

金属はなんで錆びるの?金属が錆びる仕組み

亜鉛、鉄、銅、アルミニウムは錆びますよね。

包丁、日本刀、シンク、キッチン、フライパン、ネジ、車、自転車、バイク、チェーン、鉄瓦、南部鉄器、ネックレス、指輪

これらが錆びた経験は誰にでもあるかと思います。今回は、金属が錆びる仕組みについて、分かりやすくまとめていこうと思います。

錆びは腐食と言われています

金属の錆びは腐食と言われています。腐食とは、化学・生物学的な作用が金属に働くことで、外見や機能が損なわれた状態を言います。

錆びは水や酸が影響する

金属は水や酸に触れると、イオン化します。

イオン化とは、中性の電荷をもっていない原子や分子が,電子を受け取ったり,放出したりしてイオンになることです。

要はフラットでニュートラルな状態だったのに、電子を受け取るか放出する羽目になり、電子的に周囲に影響されやすい状況になることです。その影響されやすい性質になったため、錆(腐食)という影響を受けるわけです。

金属が錆びる理由

イオン化によって金属は錆びるわけですが、もっと簡単に言うと、以下の状態になった時に、金属は錆びていきます。

・金属を加工する際に傷などが入る原子の結合が弱まった時
・傷や粗さがあればそこから水や酸が侵入した時
・金属中に不純な炭素化合物が増殖した時
・金属同士を置いて酸素濃度の差によって電力が発生した時

水や酸に触れるだけでなく、金属同士を接触させても、「濃淡電池作用」が発生し電流が流れ、電子が移動します(2つの金属の酸素濃度に違いが生じるため)。

鉄の錆びやすさは電気の通りやすさで変わる

電気伝導度(電気の通りやすさ、水中に存在するイオンの量)により、サビやすさが違います。

電気伝導度が高いほど腐食しやすくなっています。電気を運ぶイオンの少ない純水中では腐食が起こりにくく錆び(腐食)が進行しにくくなっています。

水道水は、電気伝導度100~1000μS/cm程度で、イオンが多く、腐食電流が流れやすいのでサビが進行しやすくなります。一方、純水は、電気伝導度1μS/cm程度であり、絶縁体に近い電気伝導度になります。

地球に酸素がある以上、放っておくと金属は錆びる

地球の空気は21%の酸素を含みます。

つまり、ほとんどの金属は、純金属では存在できずに、大気中の酸素と結びついた酸化物の状態にあります。

酸化が進むと、「錆」という現象が生じるわけです。

錆びやすいとされる金属の一種、「鉄」は、鉄の構造はFeの原子と自由電子e-からできており、外部要因がない乾燥した大気中であれば構造的、電気的にも安定しています。

なので、乾燥状態に置き続けることで、錆の進行を遅くすることができます。

錆の内容によって、錆の色が異なる

代表的な鉄のサビ色は、黄色、茶色、茶褐色、黒色などがあり、厚さや結晶の大きさにより色が変わっていきます。

鉄の錆びを防ぐには?

鉄の表面にバリアを形成し、錆発生の化学反応を防止すれば、鉄の錆の発生を防ぐことができます。

金は錆びるの?

純金は錆びません。金は、空気中はもちろん水中であっても酸化することがない性質を持っています。

金のアクセサリーが錆びてしまうのは、金以外の金属を混ぜていることが多いからです。

その他、錆びない金属ってあるの?

まずは、宝飾品でよく言われる「純プラチナ(白金)」が錆びません。

プラチナは、酸やアルカリ、汗などにも非常に強いので温泉に入っても変色・変質しないため、アクセサリーに最適と言われています。金の融点が1063℃に対して、プラチナの融点は1772℃と非常に高く、火事に遭っても解けない頑丈な金属です。

プラチナ(白金)の「白金」の部分を直訳すると「ホワイトゴールド」になりますが、プラチナとホワイトゴールドは別物だということを覚えておきましょう。

また、チタンも錆びない金属と言われています。チタンはきわめて活性な金属であり、酸素との結合力が強く、瞬時に表面に酸化皮膜を形成します。この膜は極めて安定した不動態皮膜で、酸素を通さないため、それ以上酸化しません。

最後に

以上、金属が錆びる仕組みを分かりやすく簡潔にまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

錆びの仕組みをイメージできれば、錆びないためにやるべきことも、イメージできますよね。水と酸という最も地球に根付いた物質が錆びに影響している点はとても興味深かったです。ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。




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