エコツーリズムとは?エコツーリズムのススメ
エコツーリズムを超簡単に言うと…
エコツーリズムを具体的に言うなら「遠足」のようなものです。例えば、以下はエコツーリズムと言えます。
登山・トレッキングツアー、ナイトツアー、アニマルウォッチング、ウォーキングツアー、スノーシューツアー、カヌー・SUP、アウトドア体験、食育・食文化体験
おそらく、皆さんもエコツーリズムと知らずに体験したことがあるかもしれません。エコツーリズムは、エコツアーとも呼ばれます。以下のようなツアー名が、エコツーリズム(エコツアー)に当てはまります。
・やんばるの森探検ツアー
・マングローブカヤック探検
・川遊びと生き物観察ツアー
・小笠原ホエールウォッチング
・ワングールバークリーク散策
・東京絶景ナイトウォークツアー
・戸隠の森でバードウォッチング
・雪遊びと雪原ピクニック
・潮溜まりツアー
・比地大滝ガイドツアー
・軽井沢野鳥の森ネイチャーウォッチング
・半日ネイチャー森林浴
超簡単に言えば、「大きな環境負荷を掛けることなく、環境を楽しむことで観光が成立しているイベント」がエコツーリズムと言えます。
エコツーリズムとは(概念編)
エコツーリズムとは、環境を活かした観光のことです。
eco=環境
tourism=観光旅行、観光事業
と理解することができます。しかし、tourism(ツーリズム)の概念は観光より広く,目的地での永住や営利を目的とせずに,日常生活圏を一時的に離れる旅行のすべてを意味します。
環境を活かした観光。環境とは、自然環境や歴史建造物の物理的案ものだけでなく、事柄としての伝統文化も含まれます。
環境を活かした観光を行いながら、環境意識を高める。これがエコツーリズムになります。
名言にも通じるエコツーリズムの概念
自己啓発本などで、以下のような言葉を聞いたことはありませんか?
心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。
この言葉は、心理学者のウィリアム・ジェイムズの言葉だとする説や同じく心理学者のウエイン・W・ダイアーとする説、あるいは、ヒンズー教の言葉だとするような説があります。
実は、エコツーリズムでも、
「私が変わる」
「地域が変わる」
「そしてみんなが変わる」
といった標語を打ち出しています。
日本エコツーリズム協会ではエコツーリズムの情報が閲覧できる
エコツーリズムの普及促進を行う「日本エコツーリズム協会」というNPO法人があります。
日本エコツーリズム協会の公式サイトには、「エコツアー総覧」というページがあり、様々なエコツアーを閲覧することができます。
全国のエコツアーを簡単に検索することができます。
・自然の中や田舎での体験ツアー
・環境に配慮したり、文化施設を有する宿泊施設
・エコツアーに登録している団体
を探すことができます。また、「エコツアービデオライブラリ」というページでは、ツアーの状況を動画で閲覧することができます。
出身都道府県のエコツアーをチェックして、地元への理解を深めてみるのも良いかもしれません。
日本エコツーリズム協会サイトで、実際のエコツアーの様子を閲覧することで、エコツアーをより具体的に掴むことができるでしょう。
エコツアーだけで観光が完結するフィリピンのボホール島
ボホール島は、マニラから空路約1時間、セブ港からはフェリーで約2時間のヴィサヤ地方に位置する人口約115万人弱の島です。
ボホールは、フィリピン・エコツーリズムの聖地と呼ばれており、
・船上から暗闇の中行われる「蛍観賞(ファイヤーフライ・ウォッチング)」
・世界最小の霊長類で絶滅危惧種の「メガネザルのターシャ」
・古代、海のなかにあった茶褐色の円錐形の丘「チョコレート・ヒル」
・転車アクティビティ「バイク・ジップ」
・ロボック川でカントリーライフを感じる「ランチョンクルーズ」
さらには、島の大半は大理石で覆われている環境から、ボホールの天然な環境のみで、観光を創り上げることに成功しています。
ボホールには、アジアの富裕層や世界から多くのネイチャーファンが観光に訪れ、2010年には約53万人、旅の玄関口となるタグビララン空港が収容能力を超える自体になり、新空港建設および持続可能型環境保全事業の有償協力を得るまでに至りました。
このボホールの例を見ても、エコツーリズムを推進することの大きな可能性を感じることができると思います。
日本におけるエコツーリズムの取り組み
日本では、観光庁が2016年度から「テーマ別観光による地方誘客事業」という取り組みを開始しています。
テーマ別とは、
エコツーリズム、街道観光、近代建築ツーリズム、酒蔵ツーリズム、社寺観光・巡礼の旅、明治日本の産業革命遺産、ロケツーリズム
のことで、このテーマ別に、観光事業を募り、観光振興の支援を行い、成功モデルケースを造るのが目的です。
・エコツーリズム地域推進協議会/NPO法人日本エコツーリズム協会
・街道観光推進会議(日本歴史街道ネットワーク)/NPO法人全国街道交流会議)
・近代建築ツーリズムネットワーク/青森県弘前市)
・酒蔵ツーリズム推進協議会/アサツー・ディ・ケイ
・社寺観光地域連携協議会/全日本社寺観光連盟)
・明治日本の産業革命遺産世界遺産ルート推進協議会/産業遺産国民会議)
・ロケツーリズム協議会/地域活性プランニング
上記のような事業が選定されています。
最後に:ありのままを楽しむことが環境に優しい観光を造る
観光とは「特別なもの」、「非日常」なモノを求める方が多いと思います。住んでいる地域以外の方にとって、その地域のありのままの姿は意外にも、とても特別で非日常的なことは多いものです。
だから、見る、感じる、歩く、走る、潜るといったシンプルな人間の活動自体が特別な観光になっていくのです。
ありのままを楽しむことが、ありのままを他の地方や国外の人に伝えることが、環境に優しい観光を造ることに繋がります。
世界遺産といった歴史的にインパクトのあるものを守るだけでなく、ありのままを届けようとする心がエコツーリズムを推進するにはとても大切だと思います。
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