有害物質ホルムアルデヒドのいろいろ

有害物質ホルムアルデヒドのいろいろ

ホルムアルデヒド。響きは誰しもが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
ニュースでもしばしば出てくるこのワード。

ホルムアルデヒドは、刺激臭を持つ無色の気体で、触媒存在下にメタノールを空気酸化して得られます。水などの極性溶媒に可溶で、ホルムアルデヒド及びホルマリンを含むホルムアルデヒド水溶液は、毒物及び劇物取締法により医薬用外劇物に指定されています。

そこで、今回はそんなホルムアルデヒドについて、いろいろとまとめてみました。

ホルムアルデヒドとは?

ラスチックの一種のメラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂などの原料として使われています。また、衣服の防シワ加工剤、消毒剤、防腐剤などの用途も知られています。

ホルムアルデヒドには、発がん性があります。ラットおよびマウスに対して、ホルムアルデヒドを長期間吸入させる実験では、鼻腔にがんの発生が認められました。さらに、衣料加工、死体保存処理などの作業場でホルマリンを扱う労働者に、肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、脳腫瘍などが多発することが報告されています。

そのため、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、ホルムアルデヒドを発がんリスクが最も高い「グループ1(人に対する発がん性が認められる)」の化学物質に指定しています。またIARCは、2009年にホルムアルデヒドを白血病の原因物質として特定しています。ちなみに、板壁などの建材、家具などに接着剤として使われているユリア樹脂からはホルムアルデヒドが揮発して、シックハウス症候群の原因となることがあります。

小学校の「毒トラック」問題

北京市の小学校で国各地の学校で、「運動場のトラックから異臭がする」と中毒症状を訴えた児童がが相次いだ事件が起こりました。

運動場に近い1階教室の児童が頻繁に鼻血を出すなどの症状が出た。児童が病院で血液検査を受けたところ、血小板やトロンビンの数値に異常が見られたというのです。

空気調査を行ったところ、音楽教室で基準値を超えるホルムアルデヒドが確認されました。

中国で建材に基準値超ホルムアルデヒド「偽装表示」も横行

基準値を超過しているにも関わらず、「ホルムアルデヒドの含有ゼロ」と謳って商品を販売する悪質業者もあり、海市での同調査では、対象となったフローリング木材の38%が不合格という結果に。

中国ではホルムアルデヒド発散建材に対する監視体制が整っていない現状があります。

PM2.5にホルムアルデヒドが付着 日本の大学が確認

大気汚染の原因となる超微細顆粒物PM2.5に有害物質のホルムアルデヒドが付着すること熊本大学大学院の研究グループが発表しました。

また、「通常は気管までしか達しないホルムアルデヒドが、PM2.5と結合することにより容易に肺にまで到達し、人体により大きなリスクをもたらす」と指摘しており、中国のPM2.5が日本に流れくる問題はより深刻だと言える状態にっています。

中国製の服に安全レベルの900倍のホルムアルデヒド

ニュージーランドで中国製の子供服に発がん性のあるホルムアルデヒドが世界保健機関(WHO)の定める安全レベルの900倍という高濃度で検出されました。

「なかよし」「りぼん」…雑誌付録のマニキュアから相次ぎ発がん性物質検出

講談社は、一昨年に発売した子供向け雑誌の付録のマニキュアから発がん性物質ホルムアルデヒドが検出されたと発表した。健康被害は報告されていないが、「肌が一時的に赤くなるなどアレルギーのような反応を起こす可能性がある」として、使用中止を呼びかけ、回収を行いました。

一方、集英社も、少女漫画誌「りぼん」平成27年8月号の付録「シャイニーネイルカラー」から、微量のホルムアルデヒドが検出されたことを発表。ホームページ上で使用中止を呼びかけ、回収をするに至りました。

ホルムアルデヒドは、国が定める化粧品基準で配合が認められていません。

ダイソーのマニキュアからもホルムアルデヒド

00円ショップチェーンのザ・ダイソーは、2015年8月に発売したマニキュア「エスポルールネイル」全148商品のうち76商品から、化粧品への配合が禁止されている化学物質のホルムアルデヒドが検出されました。

利用者から、「指が腫れた」「爪が変色した」などの苦情が数十件寄せられたことにより、調査が行われ、ホルムアルデヒドの配合が発覚しました。

エスポルールネイルは、中国の工場から約576万個が輸入され、ダイソーで売られていたようです。

電子タバコにも、一部にホルムアルデヒド

厚労省が一部電子タバコ製品の蒸気から発がん性のある「ホルムアルデヒド」の発生がが認められたと公表。

ポートランド州立大学の研究グループは、電子たばこの発がんリスクは、長期に喫煙していた場合、普通のたばこの5倍から15倍であるという推定を出して、警告を発しています。

電子たばこを吸う人は、1日3mLの補充用のリキッドを使った場合に、ホルムアルデヒドを1日に約15mg吸い込む計算になるようです。

人にも地球にも優しい現場発泡断熱材「アイシネンフォーム」

アイシネンフォーム」は1987年にカナダで開発され、その高気密・高断熱の性能から、現在世界30カ国以上に普及しています。その特徴は、建築現場で調合した原料を吹き付け施工(スプレー)する「現場発泡方式」。フロンを使用せず、水のみで100倍に発泡するため、わずかな隙間にもよく充填されます。

また、ホルムアルデヒドなどVOC(揮発性有機化合物)を一切含まないことから、人にも地球環境にも優しい素材となっています。

最後に

以上、ホルムアルデヒドについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

ニュースにしばしば登場するホルムアルデヒド。意外と、私たちの生活と密着しているようですね。ぜひ、今回の記事で興味を持った方は、過去のニュースなどを掘り下げてチェックしてみて下さい。




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