そういえば、遺伝子って何?私たちを作る小さな巨人「遺伝子」の正体
私たちの根源となる染色体
人間(成人)には約60兆個の細胞があります。
細胞は細胞膜で囲まれています。
細胞の中の主成分は水とタンパク質です。
細胞の中心には核があります。
その核は核膜で囲まれています。
核には糸状のものが46本あります。
色素で赤く染まることで染色体と呼ばれています。
染色体は2つに分かれて、同じものがもう1つできます。
同じものがもう1つできると、細胞は分裂を始めます。
つまり、染色体の分裂があって、細胞の分裂がある。
だからこそ、人間の根源は染色体にあると考えられるになったのです。
染色体の成分はデオキシリボ核酸
デオキシリボ核酸、略してDNA。
つまり、DNAとは染色体の成分なのです。
染色体とデオキシリボ核酸(DNA)。
これは言ってみれば、SDカードとデジタルデータの関係と言えます。
染色体はDNAを格納するメディアなのです。
DNAの二重螺旋(らせん)構造とは?
螺旋(らせん)階段をご存知ですよね。
DNAはハシゴ型の螺旋(らせん)階段なんです。
そして、螺旋(らせん)階段のハシゴの節目にリン酸と糖の分子が交互に繋がっています。
ハシゴの踏み段の部分にアデニン、グアニン、チミン、シトシンという物質が並んでいます。アデニン、グアニン、チミン、シトシンはまとめて塩基と呼ばれ、4つの塩基が一定の結びつきでずらっと並んで、螺旋(らせん)階段を成しています。
冒頭で染色体が分裂するとお伝えしましたが
このDNAの螺旋(らせん)階段がほどけて、真っ二つに割れます。
真っ二つに割れた後に、割れたアデニン、グアニン、チミン、シトシンが結合相手を求めて、さらにくっつきます。
すると、最初のDNAと同じ塩基を持った螺旋(らせん)階段が2つ出来上がります。
染色体の大きさと長さ
細胞核は0.1ミリ。
その中に染色体が入っています。
染色体46本をすべて解いて、繋ぎ合わせると、その長さはなんと2メートルにも及びます。
染色体の中にはアデニン、グアニン、チミン、シトシンが結合した塩基が30億も並んでいます。
人間には30億のDNAの塩基対があるんです。
この「30億のDNAの塩基対」はゲノムと呼ばれています。
ゲノムを知るには30億文字を解読すること
アデニン、グアニン、チミン、シトシンが遺伝情報を持っていて、
アデニン、シトシン、グアニン、チミン、グアニン、チミン、シトシン、アデニン、アデニン、アデニン、グアニン、チミン…
という繰り返しが30億続いています。
DNAの30億の塩基こそが、人間の遺伝情報なのです。
DNAはなぜ解読するべきなの?
DNAについて知ることができれば、遺伝病の治療に役立つことができます。
ガンは遺伝子そのものに異常が発生していることが原因の病気であるから、遺伝子の変化を本質的に知ることができれば、もっと簡単に体に負担を掛けずにガンを治すことができるかもしれません。
例えば、パソコンの動作が重い時に、パソコンを再起動させたら、動作のスピードが元に戻ったとします。これは、解決法の1つとして正しかったのかもしれませんが、パソコンの動作に悪影響をもたらしている本質を見つけているわけではありません。
なんとなく方法をあてがったら、上手くいった。だから、「動作が重い時は再起動しよう」という解決法が1つあるのみです。ガンだから抗がん剤というのも、実際のガンの本質に完全にアクセスできていませんよね。
DNAはアミノ酸をつなぐ順番を決め、タンパク質を作る指令を出している
人間の体は3分の2が水分。
そして、残りはほとんどタンパク質です。
タンパク質は20種類のアミノ酸が数十~数千個繋がってできていて、DNAは、そのアミノ酸の並びを決め、どんなたんぱく質を作ればよいのか、命令を出しているんです。
最後に
以上、遺伝子の知識についてお伝えしてきました。
遺伝子を「小さな巨人」と例えるには語弊があるかもしれませんが、私たちが考えながら、瞬時に行動できるのは、DNAから染色体、染色体から細胞と分裂を繰り返しているということが分かりました。
そして、遺伝子に傷が入って、致命的な病になるのも私たち人間です。
遺伝子の知識は奥深いので、ぜひ、今回の記事を参考に、より遺伝子の様々な情報に触れてみて下さい。
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