生ごみリサイクルができるコンポストの仕組みと豆知識

コンポストとは
生ごみ等の有機物を微生物や菌などの作用により発酵させ、植物の成長に利用するためのたい肥です。ミミズなどの小型動物による処理もたい肥作りへ貢献してくれます。
ただし、畑や庭にいるミミズを使っても、ミミズが死ぬか、生ごみが腐るのが先かの話になり、数百匹を超えるミミズを飼育することになり、生ごみの分解だけでなく、ミミズの飼育のために温度や水分を考える必要があります。
そう考えると、微生物を使ったコンポストが現実的です。
コンポストって本当に質はいいの?
微生物によるコンポストは、糖類やタンパク質などの分解しやすい有機物だけでなく、比較的分解しにくいセルロース系の植物由来物も分解し安定化・無機化できます。そのため出来上がった堆肥は腐植質(フミン酸)を多く含み、「水もちがよく」「水はけがいい」という植物生育に適した団粒構造を持ちます。
つまり、植物や野菜を育てるのに、コンポストは非常に貢献してくれるということになります。
環境にも野菜にも良いコンポストだけれど、それだけ新たな負担を生む
生ごみを循環的に扱えるコンポストですが、生ごみを集める場所を取り、手間や時間が掛かるだけでなく、虫が湧いたり、異臭を放ったりします。大きく重たいというのも、1つのネックになると言えます。
また、ご近所トラブルの原因にもなりかねません。環境には良いことですが、コンポストをきちんと管理する能力が問われます。
消臭対策や防臭対策をきちんと行い、気持ちよく運用することが、コンポストを扱ううえではとても大事になってきます。
生ごみが完全に分解されるまでにはどれくらいの期間が掛かるの?
コンポストの質やごみの量にもよりますが、コンポストを作り始めて、コンポストいっぱいに生ごみ入れると、微生物がきちんと分解するまでには、2ヶ月程度の期間が必要になると言われています。
1日に500g~1kgの生ごみであれば、最初のうちは、1週間から10日ほど分解に期間を要しますが、温度が上昇し微生物の活動が活発になってくると、分解しやすいものは数日で形がなくなります。
コンポストを置く場所はどこがいいの?
コンポストは、南側の日当たり、排水、風通しのよいところに置きましょう。
コンポストを管理するうえで、やるべきことは?
天気の良い日はフタをとって太陽光を入れ、シャベルで切り返しまます。切り返しをする際に、米ぬかなどを入れると微生物は活性化します。冬の時期は、フタを閉め、ビニールシートなどでおおい保湿を促すようにしましょう。
分解の際の水分を吸収するため、枯葉などを入れます。
コンポストに入れるのにオススメなものは?
ピートモス
弱酸性で、ミズゴケなどが長い年月をかけて堆積したもの。通気性や保水性がよいです。ホームセンターに売っています。
もみがらくん炭
弱アルカリ性で、もみがらを炭化させたもの。通気性や保水性、消臭効果がある。ホームセンターに売っています。
竹パウダー
堆肥、生ゴミ、コンポストの臭いを抑え、発酵を促進、有害菌増殖を軽減してくれます。腐敗が起こった場合には、竹炭の粉と混ぜ合わせましょう。竹炭にはアルカリ還元効果がありますので、酸化還元で起こりやすい腐敗を抑制してくれます。
コンポストに入れちゃいけないごみはあるの?
ます、「土に還るごみ」は基本的に入れても大丈夫です。樹木を切ったときに出る剪定枝や落葉、家畜動物の糞尿などは大丈夫です。
ただし、硬いものや繊維質のものは分解されにくいため、投入を控えましょう。
卵の殻、豚や鶏などの骨、貝殻、たまねぎの皮、梅干の種などどうしても入れたい場合は、細かく砕いて入れるようにして下さい。また、草や花はほとんど分解されません。
また、生ごみの中に、プラスチック類・タバコなどの異物を入れないようにしましょう。
ビニールやプラスチックは、分解せずそのままの形で残ってしまいます。生分解性プラスチックであれば、大丈夫です。またタバコなどは、有害物が入るとたい肥として利用できなくなってしまいます。
バイオ式生ごみ処理機という電化製品もある
コンポストではなく、バイオ式生ごみ処理機という電化製品もあります。そして、ハイブリッド式の生ごみ処理機であれば、生ゴミを乾燥させながら、臭いも残りにくく、微生物の力を使って水と炭酸ガスに分解する。処理後にゴミが残らないという優れた利点を持っています。
最後に
以上、生ごみリサイクルができるコンポストの仕組みと豆知識についてお伝えしてきました。生ごみは私たちの生活にかなり身近なものになっています。生ごみについて、もっと様々な対処をしっておくと、エコのみならず、衣食住の生活すべてに生きてくるでしょう。ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。
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