グリーン経済って何?これからの経済を変えるグリーン経済について

グリーン経済って何?これからの経済を変えるグリーン経済について

グリーン経済とは

利潤を追求する資本主義の経済で問題になっているのが環境負荷。経済の発展は無限と囚われがちですが、環境は有限です。

経済規模を大きくするには資源が必要である。その資源とは環境が生み出します。つまり、環境が有限である以上、資源も有限で、経済は無限の発展を遂げることなどできないのです。

だからこそ、経済と環境を調和させる社会づくりが大事になります。

ブラウン経済…環境負荷が大きい20世紀型経済
グリーン経済…自然環境と調和した21世紀に目指すべき経済

省エネ、創エネ、畜エネもグリーン経済を達成するうえで大切になります。

参考:「【イラストで分かる】エネルギーの向き合い方(省エネ・創エネ・畜エネ)」

今回はグリーン経済が「これからの経済を変える」という視点で、その本質について、まとめていきたいと思います。

グリーン・ホーネットに見る米軍のグリーン経済化

グリーン・ホーネットは、燃料のうち半分を植物由来のバイオ燃料で使う、米軍初の飛行機です。バイオ燃料は、カメリナという植物の種子から生産されています。飛行機の製造開発はボーイング社、2種類の燃料に対応できるエンジンの提供はGE社が行いました。

実はアメリカは世界の石油の4分の1を消費していますが、その中でも米軍の消費量は最大で、発展に伴い、大きな環境負荷を掛けています。

特に米軍は石油を大量に使うだけでなく、様々な僻地に石油を運ぶことが大きな負担となっています。そこで、運搬可能な太陽電池シートや太陽光パネルを電力供給源に活用し、重たい電池や大量のガソリンの輸送をなるべくせずに済むような取り組みが始まっています。

エコ認証がエコの経済的価値を上げて、グリーン経済に貢献する

グリーンな消費者がヨーロッパを中心に急増していることにより、商品に対して、エコの認証(ラベル)を付ける動きが広がっています。

MSC…資源にきちんと配慮し、漁業活動の際に想定外の海鳥やイルカなども漁獲してしまう混獲対策を行い、トレーサービリティを確保し、持続可能な手法で行業したことを認める国際的基準になります。ヨーロッパのマクドナルドでは、フィレオフィッシュにラベリングされています。

FSC…熱帯林の違法な伐採や過剰な伐採、周辺住民への人権侵害をなくし、持続可能な林業を行っていることを認めた基準になります。欧米を中心に木材や家具、コピー用紙や本、ポケットティッシュにまでラベリングされています。

グリーン消費者の急増によって、ヨーロッパを中心とする国際市場にシーフード
を輸出しようとする企業は、MSC認証を、森林産品を輸出しようとする企業はFSCの認証を取得していないと、市場に参入することすら困難になりつつあるという状況が生まれました。

ニューヨークのグリーンビルと経済

グリーンビルとは環境に優しいビルのことですが、例えば、暖房用のラジエーターを改修して無駄をなくし、冷房用の冷却装置は最も効率の良い最新式の装置交換したり、窓ガラスを二重窓にして断熱性を向上させたり、消灯センサーをつけ照明を効率よく利用するなど、様々な手法があります。

エネルギーコストの低いグリーンビルは、賃貸料を安くすることもでき、環境意識の高いニューヨークの中では、グリーン度の高さがオフィスビルの価値を決める重要な要素になっています。

また、環境意識の高い借り手は、優良な借り手である確率も高く、グリーンビルにすることの経済的メリットは非常に大きいと言えます。

不動産投資においても、環境格付けが高くなければ、優良な投資対象物件ではないという考えが普及してきており、世界の不動産投資は、グリーン不動産への価値が高まってきています。

発展途上国と小さなグリーンが経済に多いな影響をもたらす

発展途上国では、性能の悪いかまどが使われており、このかまどが大きな環境負荷を生んでいます。

・かまどの性の我悪い
・薪が不完全燃焼する
・すすや有害な煙が大量に出る
・住んでいる人が呼吸器疾患を興す
・呼吸器疾患が原因で死亡する
・森林も伐採される

このような悪循環が起こる中で、国連とアメリカの国連財団は、性能の良いかまどを普及させる活動を行っています。

また、この活動と同時に、地域に根差した雇用を生み出す動きが生まれ、貧困層にビジネスチャンスが生まれることで、経済にもよいフィードバックが生まれています。

途上国への僅かな投資で、途上国の環境が改善され、貧困と環境と経済を良くすることができるのです。

生物多様性の損失・劣化に伴う経済的損失

グリーンという響きを聞くと、植物に目が行きがちですが、もちろん、生物のことを考えるのもグリーンです。

2010年、生物多様性条約の第10回締結国会議での研究「生態系と生物多様性の経済学」では、生物多様性の損失・劣化に伴う経済的損失は、毎年2兆~4.5兆ドルに上ると言われています。

かなり凄い額ですよね。

人間活動が地球に与える負荷:エコロジカル・フットプリント

エコロジカル・フットプリントとは、環境保護団体の世界自然保護基金(WWF)が人間活動が環境に与える負荷を、資源の再生産および廃棄物の浄化に必要な面積として示した数値です。

現状が続けば、2030年には、エコロジカル・フットプリントは地球2個分になると言われています。

日本人のエコロジカル・フットプリントは、世界平均よりも高く、世界中の人が、日本人と同じライフスタイルをすれば、地球が2~3個必要になると言われています。

アメリカ人と同じ生活を世界中がすれば、地球が4~5個も必要になると言われています。

環境が資産であることを真剣に考えるのであれば、私たち人間は地球に生きる者として、環境に対して大きな負債を追っている状況だと言えます。

グリーン投資銀行は、イギリスで検討されている構想で、グリーン経済(特に低炭素化社会の実現)をさせる再生可能エネルギーなどの部門への投資を拡大し、雇用創出や不況脱出に取り組もうとする公的金融機関です。

低炭素経済への移行から大きな利益を得られるようになる新たな経済システムを作れば、一気に世界を牽引できるという狙いがあります。

グリーンであることに経済的価値が増せば、グリーン技術の高い、グリーンシステムの整った社会に近づく

グリーンであることに対する需要が高まるにつれ、環境と経済は次第に調和が取れる社会に近づいていきます。そう考えると、20世紀型の経済によって発展することが、発展途上国から先進国へのシフトチェンジの方法とは限らず、むしろ、一気にグリーン経済にマッチした技術やシステムを作り出した国が世界を牽引していく時代となっていくでしょう。

環境はついでと考えられた時代から、まずは、環境と考える時代になっていき、環境が経済の中でだんだんとメジャーな存在となっていくはずです。大きな意味で見れば、そもそも、私たちは環境の上に存在するため、環境に経済的価値を持つということは、自然な流れだと言えます。




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