コンクリートリサイクルの仕組み
コンクリートと建設リサイクル法
廃棄物の増加、廃棄物の最終処分場のキャパシティが減少していることに伴い、建造物による廃棄物も、有効にリサイクルしようという動きが高まり、平成12年に制定されたのが建設リサイクル法です。
建設リサイクル法の対象となる建設工事は、
・床面積合計80㎡以上の解体工事
・床面積合計500㎡以上の新築・増築工事
・請負代金1億円以上のリフォーム工事
・請負代金500万円以上の土木工事
になっており、きちんと分別を行い、再資源化を行うように、
・コンクリート
・コンクリート及び鉄からなる建設資材
・木材
・アスファルト・コンクリート
の建材が対象となっています。
建物のコンクリートはどのようにリサイクルされるの?
鉄筋
金属素材に再資源化し、建築用鉄筋や鉄骨にリサイクルされます。
コンクリート
再生クラッシャーラン(岩石か玉石を砕いた素材)に再資源化され、路盤材にリサイクルされます。
そういえば、コンクリートって何?
コンクリートは、セメント(石灰石や粘土を高温加熱して粉々にしたもの)に、砂・砂利・水を混ぜて、固めたものになります。セメント1:砂3:砂利6に水を加えます。
アスファルト
再生加熱アスファルト混合物に再資源化されて、道路舗装材に使われます。
本物のアスファルトは道路のアスファルトは違う
アスファルトは、原油から採取される粘着性のある物質で、常温では固体のイメージがありますが、高温では液体になります。一般的に道路に使用されている「アスファルト」で通じるものはアスファルト混合物です。
アスファルト混合物には、アスファルト自体は数%しか含まれていません。約90%が砂利や砕石などの骨材、残りの10%がアスファルトそのものと石灰粉などの混合物となります。
コンクリートリサイクルの流れ
コンクリートをリサイクル流れは…
1、収集
2、破砕
3、検査
4、加工
5、試験
4、出荷
という流れになります。建設工事現場で排出されたコンクリートを収集し、破砕したがれき類を検査し、製品として加工していきます。完成した製品を試験し、再利用に値するものであれば、出荷されていきます。
工事現場内にコンクリートのリサイクルプラントを設置した事例
富士通と清水建設は東京都蒲田の富士通新棟建設工事現場で、コンクリートのリサイクルプラントを設置しました。
要は、工事現場とリサイクル場所が同じ場所にあるということです。
このことのメリットは、廃棄されるコンクリートを、リサイクルを実施する場所へ移動しなくて済むというもので、実際に…
工事用車両(10トントラック)11,000台分の走行を削減し、580トンの二酸化炭素排出量を削減
に成功しています。また、トラックが通りにくい道や工場近隣の住環境への影響を軽減できるなど、現場内リサイクル環境の設置は非常に有効な手段と言えます。
最後に
以上、コンクリートの仕組みについて、お伝えしてきました。普段意識していませんが、私たちの歩く道も、中で過ごす場所も、コンクリートだらけ。コンクリートのリサイクルが、廃棄物の問題に大きく影響を与えるのは、少し想像すれば、容易に分かることがかもしれませんが、コンクリートとは一般的な日常ごみではないため、意識をコンクリートに向けるという機会があまりないかもしれません。
自分が何気なく過ごしている場所について、より俯瞰で、より深く探っていく意識で捉えていくと、物事の本質がより見えてきますよね。ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。
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