ダムって何?ダムの役割・種類、エネルギー資源から観光資源まで多様な機能を持つダムについて
ダムとは?
ダムという言葉の意味は何となく分かっているつもりでも、いざ、説明を求められると迷ってしまいますよね。ダムとは、
・河川の水を堰き止める
・水を貯める
・水位を上げる
建物のことです。「発電・利水・治水・保全」でる建物がダムと言えます。
ダムの役割とは?
先ほど、「発電・利水・治水・保全」をする建物がダムだと、ご説明しましたが、ダムの役割をもう少し踏み込んでお伝えすると…
・大量に水が流れるのを防ぐ(洪水防止)
・必要な水が流す(河川環境維持)
・エネルギーを作る(水力発電)
・雪が積もるのを防ぐ(消流雪)
の役割があります。雨が降り過ぎたら、下流に水が流れないようにし、水不足で私たちの生活水域の水が少なくなったときは、貯めていた水を流します。また、ダムから流れる水の勢いを利用して発電も行います。雪を積もった際に、雪を水で溶かすのにも役立ちます。
ダムの種類って?
ダムの建物はどのようなイメージを持っていますか?ダムには様々な種類があります。その種類を覚えることで、よりダムという建物がピンと来るようになるでしょう。
重力式ダム
上の写真は重力式ダムである岐阜県の丸山ダムです。
滑り台のような見た目のダムです。堤の重力により、水圧の外力に抵抗するダムです。構造は、一般的には直線型で、横断面は三角形で構成されています。日本で最も多いダムになります。
重力ダムには、ダムの中を空洞にすることによりコンクリートの量を節約する「中空重力式」と呼ばれるものもあります。
アーチ式ダム
上の写真はアーチ式ダムである福井県の真名川ダムです。アーチ式ダムは上流へアーチ状に張り出した構造のコンクリートダムです。アーチを利用して、水圧を両側面の岩盤で支えます。この両側の岩盤で莫大な水圧に耐えなければならないので、領解羽の岩盤が頑丈に建設できる場所を探す必要があります。
よって、アーチ式ダムは限られた場所にしか建設ができません。しかし、アーチ式ダムはコンクリートの使用量が少なく済み、重力式コンクリートダムに比べて工費圧縮が可能で経済性に優れています。
アーチ重力式ダム
上の写真はアーチ重力式ダムである埼玉県の二瀬ダムです。
重力式とアーチ式の両方を備えたダムです。縦は滑り台のような形、横はアーチ状というようなダムになります。国内でも珍しいダムになります。
アーチダム建設のように強固な岩盤が必要ではない上に、重力式コンクリートダム建設のようにコンクリートを大量に必要としない利点があります。
ダムは再生可能エネルギーとしても可能性を秘めている
東洋経済オンラインの『ダムは永久にエネルギーを生む「夢の装置」だ』で、元国土交通省河川局長は竹村 公太郎は、「既存ダムの潜在能力を発揮させれば、現在の2~3倍の水力発電量を確保することができる」と述べています。
ダムは国も事業として力を入れている
国土交通省はダムを観光資源とする「ダムツーリズム」を推進しており、
・ダム見学
・ダムライトアップ
・建築技術、貯水池の容量などを記した「ダムカード」の配布
・ポータルサイト「ダムコレクション」の運営
などの活動を行っております。2016年9月1日からは、平日のみだったダムの見学が休日も行われるようになります。
水力発電としてのエネルギー資源だけでなく、観光資源にもなるという特徴がダムにはあります。
富山県の人気観光スポット黒部ダムの名物「観光放流」
観光放水とは、観光地として盛り上げるために行う放流のことです。最も有名なのが黒部ダムの観光放流で、毎秒10トンの水が流れ落ちていきます。水の迫力に溢れて流れるさまは、絶景です。
黒部ダムでは、黒部ダムをモチーフにした黒部ダムカレーも名物になっています。トレッキング、アルペンクルーズなども行っていて、旅先としても多くの楽しみが味わえる場所になっています。
最後に
以上、ダムの役割・種類・機能などについて、様々な内容をお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
ダムは水を調整する機能を持つことで、私たちの生活を豊かにしてくれています。
ダムは特撮戦隊モノの大きな戦闘ロボットのようで、放流しているさまは、必殺技を繰り出しているようにも見えます。ダムにハマる人たちが増えるのは、ダムの見た目や造りや存在感が人の心を惹きつける部分があるからです。
ぜひ、ダムに一度も足を運んで見たことのない方は、一度、その目でダムの魅力について確かめてみて下さい。
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