知っておきたい昆虫の15の知識
1、昆虫が昆虫になる5つの条件
「昆虫とは?」という問いに対して、ピンと来ていない方も多いかもしれません。昆虫は
・背骨のない無脊椎動物
・足に節のある節足動物
・頭、胸、腹がはっきり分かれている
・6本の脚
・4枚の羽
の5つが当てはまるものだけが昆虫と呼ばれます。羽が退化したアリ、脚が退化したタハテチョウなど、例外もあります。
2、昆虫には目が複数ある
昆虫は「小さな眼=個眼」が集まった複眼を成しています。イエバエ2000個、ホタルのオス2500個、トンボ2万個前後と言われています。
複眼の利点は圧倒的な視野の広さと動体視力で、人間は全く及ぶことはできません。左右に突き出たドーム状の複眼をもつカマキリの場合、ほぼ360度の視野を持っています。
目の前で何かが動くと、個眼から個眼へとその像が移っていくので、動くものを追いかけるのに適した眼であると言われています。
3、昆虫によって口の機能はまったく違う
昆虫の口の形は、食べるものや食べ方によって大きく構造が変わります。
大きく分けると、噛む、吸う、舐めるの3つがあります。
肉食のオサムシ、スズメバチ、草食のバッタの口は噛む役割を成します。
樹液を食べ物とするセミ、花の蜜を食べ物とするチョウは管状の口で、吸う役割を成しています。
樹液や蜜をエサにする仲間でも、カブトシはブラシ状の口、ハエとハチは筒状の口で舐める役割を成しています。
4、昆虫は気門で呼吸する
人間は鼻や口で呼吸をしますよね。昆虫にも口はありますが、先ほど口の機能を説明したように、呼吸に向かない形状の口もあるのはイメージが付くと思います。
昆虫は気門から空気を取り組み、空気は体中に張り巡らされた気管を取って、酸素を全身に届けます。
一般的な昆虫は、基本的に10対(胸部の体節側面に2対,腹部側面に8対)の気門を持っています。
多くの昆虫の気門室には一つまたは二つの弁があって,それに付着する筋肉の収縮開張によって気門を開閉します。
5、昆虫は変態になる
実は昆虫が一生の間に体の形を変えることを「変態」と言います。
変態には3つのタイプがあります。
完全変態…卵→幼虫→さなぎ→成虫
不完全変態…卵→幼虫→成虫
無変態…そのまま成虫
状態が変わることが「変態」と言われれば、その通りですよね。
6、日本の昆虫の種類
日本にどれだけの昆虫が存在するのか、その正確な数字は分かっていません。一説によると、約10万種の昆虫が日本に存在し、その中で、名称のつけやすい約1万~数万種が図鑑に収められていると言われています。
海外から流入する昆虫がいたり、未発見の昆虫がいたりと、実際の数字は分かっていないのです。
・クワガタ…約40種類
・チョウ…約245種類
・アリ…約280種
・ガ…約6000種類
・ハチ…4000種
・セミ…30種類
などと言われています。
7、ゴキブリは人間よりも足が速い
昆虫の俊敏性が一番高いのは、クロゴキブリ、ワモンゴキブリで、秒速50cmになります。1秒間に50cmも動くからこそ、捕まえにくいわけですね。
人間の身体の大きさに換算すると、100mを5秒で走ることになります。
8、ノミは地面から東京タワーのてっぺんに行ける
昆虫の跳躍力は、トノサマバッタが75cm、コオロギが60cm、ノミが30cmとなっています。
ノミは人間の身体に換算すると、300mを超える跳躍力があることになります。地面から東京タワーの上部に捕まることができると考えると恐ろしいですよね。
9、世界最速の昆虫はアブ
アブの最高飛行速度は約145kmです。そして、アブは大きな複眼を持ち、360度を見渡すことができます。
アブは高速にターンをすることができ、飛行のコントロールの正確性も抜群と言われています。
10、アメンボが水面をスイスイと進める理由
基本的に昆虫の脚の先には二股の爪がありますが、アメンボは爪が後退した位置にあって、脚先が丸くなっています。
そして、アメンボの脚先には毛が生えています。毛と毛の間に空気が溜まるようになていて、しかも、ロウような成分が出ているため、浮力が高まって、アメンボは水面をスイスイと進んでいくのです。
11、カイコガはそもそも口がないから餓死する
昆虫の成虫は、生殖して子孫を残すための存在です。カイコガはオスは交尾を、メスは産卵を遂げると、口が最初からないため、何も食べることができずに、餓死していきます。
12、シロアリは強敵である
熱帯地方のシロアリがサバンナに造る素は、高さ数メートルにも及び、200万匹が暮らしていると言われています。
シロアリの巣の中は通気穴になる線路が張り巡らされていて、空気が循環し、温度(25℃)や湿度が一定に保たれています。
シロアリは社会性昆虫で、巣に住むのは女王が生んだ家族です。女王アリは、30年~50年の寿命を誇ります。
13、トノサマバッタは大勢で育つと黒くなる
トノサマバッタは、幼虫の時に大在で育つと、黒っぽくなり、羽も長くなり、飛翔能力が高くなり、集団行動をし始めます。
同一種でありながら、育ちによって異なる形や修正を持つようになることを相変異と言います。
14、名前が24文字もある昆虫がいる
昆虫の名前は、似ている種の仲間と区別するために特徴を示す単語を並べて名付けていくのが一般的です。そして、一番長いのが、24文字で
エンカイザンコゲチャヒロコシイタムタゲキノコムシ
がいます。
15、刺されると一番痛いのはアリだった
ジャスティン・スチミッド博士が自ら身体を張って、どの虫に刺されたら、最も痛いのかを研究しました。
その結果、一番痛かったのは、サシハリアリで、「錆び付いた五寸釘を打ちこんだ脚で、燃える隅の上を歩かされている」という喩えから分かるように、耐え難い痛みであることが分かります。
定番のミツバチは、サシハリアリの痛みの2分の1となっています。
最後に
私たちの身の回りに普段から棲息している昆虫。言ってみれば、私たちの生活にとって身近な存在にも関わらず、理科から離れたら、昆虫について知る機会って少なくなりますよね。
虫を無視せずに、昆虫への知を定期的に深めていくと、私たちの生活も豊かで過ごしやすいものになっていくはずです。
ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。
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