肥料だけじゃない!糞の様々なサイクル事例

肥料だけじゃない!糞の様々なサイクル事例

糞と言えば、農作物を育てる際の肥料としてのリサイクルが有名です。また、糞はバクテリアが分解するとメタンが生成され、そのメタンガスを燃料になったり、電力になったりするといったリサイクル方法も有名ですよね。

しかしながら、実は糞のリサイクルはまだまだ様々な面白い事例があります。そこで、今回は糞を活用した様々なリサイクル事例を取り上げていきたいと思います。

糞からフォトアルバム

冒険的ものづくりカンパニー「ミチコーポレーション」は、スリランカの環境NGOと共同で、象の糞を原料に、ノート、フォトアルバム、メモ帳など、さまざまな紙商品を製造。

化学的薬品、染料、ブリーチを一切使っていないため、安全性が高く、環境にも優しく、和紙のような素朴な風合いがアーティスティックな雰囲気を出しています。

糞からティッシュ

中国四川省の製紙会社と中国パンダ保護研究センターが協力し、ジャイアントパンダのふんを利用したティッシュペーパーを発売しています。中国パンダ保護研究センターは世界的なパンダ繁殖・研究の中心地で、東京・上野動物園で生まれた「シャンシャン」の父「リーリー」と母「シンシン」のふるさとです。

パンダのふんや食べ残しのササから繊維を取り出し、洗浄したり蒸したりする工程を繰り返してティッシュペーパーやトイレットペーパーに加工。医療用酸素で消毒し、国の安全基準も達成しています。

しかしながら、製造の大変さがあり、ティッシュは1箱で42元(約740円)と高級品となっています。ティッシュは、薄い茶色ですが、消臭されていて、普通に使用できるようです。

糞から洋服布地

H&Mファウンデーションは、循環型の廃棄物を出さないファッション業界の促進を目指し、「グローバル・チェンジ・アワード」を開いています。そして、受賞作品の中にあったのが、「牛の糞を材料とした布地」です。

牛の糞に含まれる貴重なセルロースを抽出し使用することで、生物分解性テキスタイルを作り出すことができます。生物分解性なので、メタンガスや土、水、大気を汚染する物質の放出も著しく減少させることができる布地となっています。

糞から食器

イタリアの北部グラニャーノ・トレッビエンセのカステルボスコでは、糞を原料に食器が造られています。トスカーナ地方で採れる粘土に糞を混ぜた後に、独自の製法を経て作り出されています。食器の他にも、レンガやタイルが糞から作られています。

糞から飲料水

かなり画期的は発想ですが、着想したのは、あの米マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツさん。慈善事業に力を入れており、途上国で環境・衛生面で深刻な問題となっている排泄物の処理と、不足している安全な飲料水確保を同時に解決しようという視点から、開発が生まれました。

ビル・ゲイツさんは、糞から飲料水を作り出す処理装置で実際に作った水をおいしそうに飲み干すパフォーマンスも行っています。

糞から化粧品

うぐいすや野鳥の糞を乾燥させた伝統的な化粧品があります。糞に含まれる酵素に美肌効果があるといわれ、粉末状にしたものは洗顔料やパック剤など、様々なカタチで化粧品として利用されています。

糞から街灯

イギリスのクリエイターであるブライアン・ハーパーさんが犬の糞を燃料に灯るガス灯を開発。街灯を2時間灯すのに必要な糞袋は10個のようです。

糞からコーヒー

リサイクルというよりは、天然でそうなっているのですが、糞から高級なコーヒー豆が造られているのです。インドネシアの「コピ・ルアク」というコーヒー豆で、価格はなんと、450gで約3万円~約5万円。

インドネシアのコーヒー農園では、野生のジャコウネコがコーヒーの果実を餌として食べることがあるそうです。ジャコウネコの体内で果肉部分は消化され、種の部分が消化されず糞として排泄されます。

その糞を探し出し、綺麗に洗浄して乾燥させ、焙煎したのが、このコピ・ルアクというコーヒーだというのです。ジャコウネコの腸内の消化酵素や腸内細菌でコーヒー豆が発酵し、コーヒーに独特の香味が加わるそうです。ワインのような自然の価値が足された結果、複雑な味わいを生み、高級になっているということでしょう。

糞からホワイトビーチ

海の綺麗な白い砂浜は、ブダイ科の魚がサンゴを食べて、糞をすることで生まれると言われています。ブダイ科の魚1匹で、1年で300キログラム分の砂に匹敵するかそれ以上の量のフンをすると言われています。

<参考資料>
・「象の糞からシートベルトまで、意外に優れたリサイクルグッズ|日経トレンディネット」
・「「糞クチュール」がファッション業界の変革を促進する 第2回Global Change Award|NewSphere」
・「牛のふんから食器生み出す、イタリア「シット・ミュージアム」|AFPBB News」
・「究極リサイクル 排泄物からおいしい水 「夢の装置」ビル・ゲイツ氏が普及に尽力|産経ニュース」
・「うんちを化粧品や保育室に、動物たちの糞活用法|NATIONAL GEOGRAPHIC」
・「パンダのふんでティッシュ 1箱740円においなし|毎日新聞」
・「犬のウンチが火を灯す〜イギリスでリサイクル街灯が設置|the WOOF」
・「“ハエ” が世界を救う!? ムスカ、独自のイエバエを用いた『畜産糞尿を肥料や飼料に100%リサイクルする循環システム』を実用化|PR TIMES」
・「世界一高価なコーヒーは、ジャコウネコの糞からつくられていた!信じられない誕生の秘密|ビジネスジャーナル」
・「白い砂浜は魚のフンでできている|ログミー」




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